平成18年度新司法試験短答式民事系
第54〜58問解説

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【第54問】

1について

誤り(小切手法37条3項前段、38条1項)。
銀行に対しても支払うことができる。

2について

誤り。
満期の翌日は依然支払拒絶証書作成期間経過前である(手形法77条1項4号・44条3項)。
よって、期限後裏書にはならない(手形法77条1項1号・20条1項)。

3について

誤り(手形法77条2項・5条1項)。

4について

正しい(手形法77条1項1号・11条3項)。

5について

誤り(手形法77条2項・8条)。

【第55問】

1について

正しい(民訴法28条・民法824条、818条3項)。

2について

誤り(民訴法35条1項)。
訴訟法上の特別代理人である。

3について

誤り。
地裁では、弁護士でなければ訴訟代理人となることはできない(民訴法54条1項、弁護士代理の原則)。
このことだけで、誤りと判断してかまわないだろう。

もっとも、Cが弁護士である可能性は否定できない。
未成年者は弁護士の欠格事由ではないからである(弁護士法7条4号参照)。
ただ、ここで疑問が生じる。
未成年者は単独で訴訟行為を行うことができない(民訴法31条本文)。
未成年の弁護士は訴訟行為を行えないのだろうか。
私見だが、無知の未成年者を保護するという趣旨からは、例外とすべきだろう。
そうすると、Cが弁護士である場合は、訴訟代理人となる可能性はある。
しかしながら、その場合は、裁判所の許可は不要である。
よって、ここまで考えたとしても、結局、誤りという結論には変わりがないといえる。

なお、民法上の代理人には、未成年者もなることができる(民法102条)。
出題意図は、これとの対比にあったと思われる。

4について

正しい(民訴法56条1項)。
手続の円滑化のためである。

5について

誤り(民訴法190条)。

【第56問】

1について

誤り。
関連裁判籍を定める民訴法7条本文は、「第四条から前条まで」としている。
そのため、合意管轄(同法11条)の場合は、含まないようにも見える。
しかし、当事者双方の応訴負担軽減の趣旨は、合意管轄の場合にも妥当するから、7条の適用があるとされる。

2について

正しい(最判昭44・10・17)。

3について

誤り。
特定された主要事実に関する限り、自白契約は認められる。
弁論主義の領域に属し、当事者意思を尊重すべきだからである。

4について

正しい。
自由心証主義の領域に属し、当事者に委ねるべきでないからである。

5について

正しい(民訴法281条1項ただし書)。

【第57問】

1について

誤り。
独立当事者参加が可能だからといって、別訴が提起できなくなるわけではない。

2について

正しい(民訴法47条4項・40条1項)。
当事者の一部にだけ自白が成立するとなると、合一確定は不可能である。

3について

誤り。
X・Zはそれぞれ独立の管理処分権を有しているから、通常共同訴訟となる。
従って、Xの自白は、Zには影響が無いが、XY間では効力を有する(民訴法39条、共同訴訟人独立の原則)。

4について

正しい。
同時審判申出訴訟となるには、訴訟物の法律的並存不可能性が必要である(民訴法41条1項)。
わかりやすくいえば、一方が他方の抗弁となっている場合である(無権代理責任と代理に基づく履行請求等)。
甲の所有権帰属は事実上並存不可能であるにすぎず、この要件を満たさない。
よって、裁判所に併合義務は生じない。

5について

誤り(民事保全法20条1項「金銭の支払いを目的とする債権」)。
仮差押えは、差押え→強制競売の保全のためのものだからである。
本肢の場合は係争物に関する権利の保全として仮処分命令の申立て(同法23条1項)をすべきである。

【第58問】

1について

誤り(最判昭30・12・1)。

2について

誤り(最判昭57・3・30)。

3について

誤り(最判昭49・4・26)。

4について

正しい(最判昭53・9・14)。
平成18年度旧試論文の素材として使われた判例と思われる。

5について

正しい(最判昭26・4・13)。

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