旧司法試験出願者数発表

やはり激戦に

新司法試験の受験予定者数と共に、旧司法試験の出願者数も発表された。
出願者数は、28016人。

以前の記事で、30129人という試算をしていたが、それよりは減少した。
とはいえ、今年の合格者数はおよそ300人とされている。
従って、合格率は、300/28016*100=1.07%
競争率にすると、およそ100倍ということになる。

これはやはり、激戦だ。

消極的な決死隊

旧試験は、合格者数が激減し、今後消滅すると分かっている。
合格者数の減少割合に比例して、出願者も減少するのが合理的だ。
しかし、合格者数は、4割(500*0.4=200人)減少するにも関わらず、出願者は2割程度しか減少していない。
これは、経済合理性にそぐわないことである。
受験者がこれほどまでに存在するのはなぜだろう。

その動機は「他の選択肢が見当たらない」という、消極的動機によるものだと思う。
何か積極的な動機があって、腹をくくったということではない。
旧試験に全力を投じたがゆえに、他の選択肢が無いように見えるのだろう。

旧試験特攻組は、消極的な決死隊なのである。

多くは潜在的な新司法試験受験者

とはいえ、今後の合格者数の推移からみて、この決死隊のほとんどが旧試験に合格できずに、旧試験廃止の日を迎えることは確実だ。
その場合、多くの人達が、新司法試験を受験することになるだろう。
司法試験以外の選択肢を、彼らは持たないからである。
また、手っ取り早く合格者を輩出したい下位ローが、即戦力となる旧試験組を奨学金などで囲い込む可能性もある。
そうすると、旧試験組を新司法試験が吸収するという構図が生まれる。
しかし、これには時間がかかる。
単純計算だが、仮に、毎年、旧試験組が新試験に3000人合格したとしても、全員合格には9年以上かかる。
このことは、法科大学院教育の成果を不透明にすることになる。
新試験合格者が出たとしても、法科大学院の教育ゆえか、旧試験の勉強ゆえか、わからない。
従って、ロースクールの本当の実力がわかるのは、実は10年後くらいからなのである。

法務省の背信性

ところで、出願者数28016人という数字は、過去の旧試験の出願者数でみると、平成9年の27112人に最も近い。
この頃は、法務省がなりふり構わず若返り・合格者増加を図っていた頃である。
当時の試験結果発表をみると、怪しい通信販売のような写真をつけ、必死に煽っている様子が分かる。
しかし、法務省はこの数年後、散々煽った試験の廃止を含めて法科大学院構想を検討し始めるのである。
この法務省の背信性は、もっと批判されるべきだと思う。

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