平成18年度新司法試験短答式民事系
第64〜71問解説

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【第64問】

アについて

正しい。
訴訟上の和解は「確定判決と同一の効力」(民訴法267条)を有する。
従って、原則として訴訟要件が必要である。
訴えの利益も訴訟要件の一つであるから、これを欠く和解は原則として無効である。
なお、訴えの利益を欠く訴訟においても、紛争解決の実効性のある和解であれば、有効と考える余地もある。
従って、一律無効とする本肢を誤りと考えることも可能である。
しかし、本問では、肢の組み合わせから、正解には影響しない。

イについて

誤り(民訴法264条、265条5項)。

ウについて

正しい(民訴法55条2項2号)。

エについて

正しい。
互譲は、当該訴訟の訴訟物に限らず、広く認められる。
当事者意思の尊重、柔軟な紛争解決のためである。
よって、本肢のような和解も認められる。

オについて

誤り(最判昭43・2・15)。
解除は基準事後の事由であるから、別事件と考えるのである。

以上から、正解は4となる。

【第65問】

1について

誤り。
法規一般は不要証事実だが、外国法は裁判官が知らないことがある。
そのため、証明を要するとされる。
もっとも、存在を客観的に確認できるため、当事者の立証を待たずに認定してよいと解すべきである。

2について

誤り。
裁判官が職務上知り得た事実は、裁判所に顕著な事実(民訴法179条)として不要証である。
他事件担当時に偶然知った事実も、職務上知り得た事実である。

3について

正しい。
裁判上の自白とは、自己に不利益な事実を争わない旨の、当事者の「弁論としての」陳述をいう。

4について

誤り。
証拠却下された以上、口頭弁論には顕出されない。
従って、その記載内容は「弁論」に含まれないから、その全趣旨として斟酌することはできない。

【第66問】

アについて

誤り。
共有関係確認の訴えは固有必要的共同訴訟とされる(最判昭46・10・7)。
よって、A単独の取下げは無効である(民訴法40条1項)。

イについて

誤り(民訴法40条2項)。

ウについて

正しい(民訴法40条3項)。

エについて

正しい。
合一確定要請がある場合に一部判決はできない。
よって、判決の不適法を控訴で争うことができる。

オについて

誤り。
共同訴訟参加による当事者適格の追完をすることができる。
却下後に再訴させるのでは、訴訟経済を害するからである。

以上から、正解は4となる。

【第67問】

1について

正しい(最判昭43・11・1)。
反訴請求を基礎付ける事実の存否を審理判断できないからである。

2について

誤り。
請求レベルの話であるから、上告審でもすることができる。

3について

正しい。
反訴と同様、確認対象を基礎付ける事実の審理判断ができないからである。

4について

正しい。
請求放棄と同様、請求レベルの話であるから、上告審でもできる。

5について

誤り(民訴法41条2項)。
控訴審においてもなお両負け防止の趣旨は妥当するからである。

【第68問】

1について

正しい(民訴法157条2項)。

2について

誤り(民訴法174条)。
理由説明義務が生じるだけである。
説明不十分の場合に、157条1項の却下対象になりうるにとどまる。

3について

正しい(民訴法208条)。

4について

誤り(民訴法225条、224条1項対照)。
第三者の行為によって、一方当事者が不利益を受けるのは不合理だからである。

5について

正しい(民訴法224条2項)。

【第69問】

1について

誤り(民訴法124条1項1号)。
柱書で「中断する」となっているのは、各号に該当すれば当然に中断するという意味である。
つまり、裁判所の行為を待たずに問答無用で中断するのである。

2について

誤り(民訴法124条3項)。
相続放棄がなされると遡及的に当事者適格を失う(民法939条)ので、紛争解決が図れないからである。

3について

誤り。
相手方との関係では、受継通知時(民訴法127条)に中断が解消するとされている。
なお、受継申立人との関係では申立時に生じる。

4について

正しい。
中断中の訴訟行為は無効である。
これは、訴訟手続違背であるから、責問権の放棄(90条本文)の対象になる。

5について

誤り。
審級代理の原則(民訴法55条2項3号参照)から、審級終了により中断が生じることになる。
審級終了効は判決書送達時とされている(民訴法285条参照)。
従って、判決書送達時に中断が生じる。
よって、言渡し時とする本肢は誤りとなる。

【第70問】

1について

誤り(大連判昭14・3・22)。
債権存在を主張する被告の勝訴が確定して初めて中断するとする。

2について

誤り(最判昭38・10・30)。

3について

正しい(民訴法147条)。

4について

正しい(最判昭50・11・28)。

【第71問】

1について

誤り(民訴法136条、143条1項対照)。

2について

誤り。
即時抗告は執行停止効(民訴法334条1項)があるため、個別規定ある場合にのみなしうる。
弁論併合については規定が無い(民訴法152条参照)。

3について

正しい(人事訴訟法17条1項)。
異種手続であるが、関連性が高いため、例外とされたのである。

4について

誤り。
両請求に判決を求めているから、単純併合となる。
従って、代償請求が認められない旨判決しなければならない。

5について

正しい(会社法837条)。

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