平成18年度新司法試験短答式刑事系
第11問〜14問解説

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【第11問】

1について

明らかに矛盾するとはいえない。
共謀正犯関係にある乙の行為を新たな暴行とみる余地があるからである。

2について

明らかに矛盾するとはいえない。
乙の行為を新たな暴行とみる場合、V女は反抗抑圧状態に陥っている。
よって、軽い程度では足りないと解してもなお、暴行ありと認めることができる。

3について

明らかに矛盾する。
本肢ただし書は、乙の行為を新たな暴行とみる余地を否定している。
本問事例では、奪取行為者自身(すなわち甲)による暴行脅迫はなされていない。
従って、本肢見解からは、強盗成立の余地は無い。

4について

合致する。
乙のわいせつ行為を共同の暴行行為とすると、甲の強盗罪を認定しやすくなる。

5について

明らかに矛盾するとはいえない。
V女が意識を失った場合の記述は、本事例とは直接関係が無い。

【第12問】

アについて

bが正しい。
監禁と恐喝は通常手段結果の関係になく、併合罪となるとされている。

イについて

cが正しい。
無免許運転は継続的行為であるが、業務上過失傷害は一時的行為である。
よって、社会観念上1個の行為とはいえないから、併合罪であるとされる。

ウについて

fが正しい。
放火は社会的法益に対する罪である。
家を何軒焼いても社会法益は1個しか害されないから、1個の放火罪が成立するとされる。

エについて

gが正しい。
個人的法益は、その人ごとに別個の法益である。
そして、それぞれ別個の行為による。
従って、併合罪となる。

オについて

iが正しい。
個人的法益はその人ごとに別個の法益なので、2個の殺人罪が成立する。
そして、一個の行為によりなされているから、観念的競合になる。

【第13問】

一見、複雑そうに見えるが、よく見ると、Vの事例は事故発生に対する予見可能性がない。
従って、Vについては、ABCいずれの説でも業務上過失致死罪は成立しない。
よって、5が正解となる。

【第14問】

1について

正しい。
転職後の収受の場合につき、判例は単純収賄を認める。
判例は収賄に関してかなり広く認めていく傾向(どの論点も肯定説)にあると覚えておけばよい。
なお、「有利な取り計らい」とあるので、単純収賄ではなく加重収賄ではないかとも思える。
しかし、違法ないし不正とまでは書いていないので、加重収賄にはならないと考えるべきだろう。

2について

誤り。
再選後の職務についての任期満了前収受につき、判例は肯定説に立つ。
よって、請託あれば受託収賄罪が成立する。

3について

誤り。
第三者供賄罪(刑法197条の2)は単に「第三者に賄賂を供与させ」とあるのみで、第三者の知情は要件とされていない。

4について

誤り。
加重収賄罪の成立には、不正行為ないし相当行為をしないことが必要である。
本肢では受託収賄罪が成立するにとどまる。

5について

誤り。
あっせん収賄罪は公務員の地位の不正利用を禁圧するものである。
従って、私人の地位(旧友としての立場)を利用したあっせんについては同罪は成立しない。

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