大学入試センター平成19年度適性試験志願者数公表

志願者数2513人減

5月25日に、大学入試センターが平成19年度の適性試験志願者数を発表した。
総数15937人、前年度から2513人減少した。
割合にすると、前年度比13.6%の減少ということだから、これは相当な減少幅である。
昨年度の減少数1409人を大幅に上回っている。

このような数字だけを見ると、
「ローの未来に希望が持てなくなって、新規法曹志願者が激減した。
法科大学院構想は崩壊する」
という風にも思える。
しかし、本当にそうだろうか。

減少の大半は既卒者

よく内訳を見てみると、そうでもないことがわかる。
卒業見込の志願者数の減少は、308人(5.5%)にとどまる。
すなわち、純粋な新規法曹志願者というべき者達は、さほど減少してはいない。
これに対し、既卒者の減少は、2087人(16.9%)にのぼる。
つまり、減少の主因は、既卒者の減少にあるわけである。
そして、既卒者の多くは、旧司法試験の受験生であると思われる。
これは、旧司法試験組のロースクールへの流入が、一段落ついたことを意味する。
今残っている旧司法試験組は、最後まで旧司法試験を受け、そして、駄目なら予備試験というルートを考えているようである。

新規志願者の傾向変化も

以上のことから、現段階ではまだ、直ちに法科大学院構想崩壊が問題になるということにはなりそうにない。
しかし、昨年のデータと比較すると、変化の兆しを見出すことが出来る。
すなわち、前年度は、卒業見込者は57人の微増だった。
それが、今年は、308人の減少に転じている。
前述のように、絶対数としての全体の割合としては、今のところ大したことは無い。
しかし、傾向という点で言うなら、上昇から、下落へと、反転したということが言える。
今後、この傾向が加速していく可能性は十分ある。
その場合は、大いに問題視されることになるだろう。

新規参入の減少は悪いことか

しかしながら、新規参入者の減少は、むしろ、歓迎すべきことだ。
ロースクールの廃校は当然増えるだろうが、これ自体は、廃校になるローの関係者以外にとってはどうでもよい。
むしろ、当初予定の合格率70から80%を実現しやすくなる。
質の確保の問題は当然残ることにはなるが、それはまた別問題である。
あまりに志願者が減るようであれば、予備試験の枠を拡大することによっても、受験者数は確保できる。

加熱気味だった新司法試験人気が適正化しつつあるという意味で、志願者減少は好意的に解釈してよいと思う。

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