漏洩問題関連ニュース

2007年6月28日3時2分 読売新聞

(以下引用)

新司法試験の類題演習、慶大教授を考査委員から解任へ

 法科大学院の修了生を対象にした今年度の新司法試験で、出題と採点を担当する「考査委員」を務める慶応大法科大学院の植村栄治教授(57)(行政法)が試験問題の類題を事前に学生に教えていた問題で、法務省は27日、植村教授を考査委員から解任する方針を固めた。週内にも正式に発表する。

 植村教授は、先月中旬に実施された新司法試験への対策として、今年2〜3月、同大学院の学生を対象に答案作成の練習会を実施し、実際の試験問題と類似した論点について説明した。また、試験で書いた論文を再現したものがあれば個人的に採点するとした一斉メールも学生たちに送った。

 法務省は〈1〉考査委員には答案練習会などの受験指導を行わないよう要請していたのに、これに違反して試験制度への信頼を損なった〈2〉個人的な採点を行えば、採点基準に関する守秘義務違反になる恐れがある――などの点を重視し、解任の方針を決めたとみられる。解任により、7〜8月に予定されている採点作業に関与できなくなる。同省は「旧司法試験時代も含め、考査委員が試験問題を巡る不祥事で解任されるのは初めてではないか」としている。

(引用終わり)

asahi.com2007年06月29日15時34分

(以下引用)

新司法試験の考査委員、自校生に「採点基準」

 法科大学院の修了者を対象にした新司法試験をめぐり、出題や採点を担当する考査委員を務める大宮法科大学院大の教授(52)が昨夏、過去の試験問題を同大の学生に出題した際、独自の採点基準を配布していたことがわかった。法務省は「実際の試験の採点基準とは異なっており現時点では問題があるとはいえない」としながらも、「望ましいとまではいえない行為」ととらえて事実関係の確認を進めている。

 今年の試験でも慶応大法科大学院で考査委員が学生対象の自主勉強会を実施していたことが発覚。受験生を指導しながら試験実施に携わる委員のこうした指導が試験の公正に対する疑いを招きかねないことから、法務省は、指導の範囲に明確な基準を設けるとともに委員選任のあり方も見直す方向で検討に入った。

 大宮法科大学院の教授は、04年から国際私法の考査委員。06年の夏休み中に国際私法の講義を選択する数十人に対して計4回、臨時で講習を実施した。そのうち、その年の5月に実際の試験で出題された論文問題を使った講習で、解答にどのような要素が盛り込まれていれば何点を加えるかを記した紙を配布した。

 教授は取材に対し、独自に作った基準であることを強調したうえで「学生の要望だった。考査委員の立場上、項目や配点が試験の基準と重ならないように意識した。認められた指導の枠内で問題はない」と話した。

 同大ではほかにも、倒産法の考査委員を務める別の教授が昨年6月、同様に独自の採点基準を示した紙を配布していた。

 新司法試験の考査委員は現在156人。裁判官や検察官ら「実務家」は半数弱で、半数以上を法科大学院で教える教授らが占めている。委員は採点基準を漏らしたり学生対象の「答案練習会」を開いたりしないよう要請されているが、どのような指導が違反か明確な線引きはないのが実情だ。

 法務省は今後、全委員に勉強会や答案練習会などの指導をしたことがあるか報告を求め、実態把握を進める。

(引用終わり)

【コメント】

そもそも、考査委員が法科大学院の教授も務めるというところに、ある種の利益相反関係が生じている。
だが、法科大学院教授の数の確保のためには、現状で考査委員を完全に排除することは難しい。
仮に、現在の考査委員を排除できたとしても、「元」考査委員が採点基準等を漏洩する危険がある。
また、親しい考査委員から、他の教授が出題論点を聞き出す可能性もある。
そうした危険をすべて排除するのは不可能である。

現実的な方法としては、発覚した不正に対する見せしめ的厳罰による威嚇しかないだろう。
その意味で、今回の件がどう処理されるか、注目したい。

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