新人弁護士を地方で養成 日弁連、過疎解消へ10億円

asahi.com2007年08月04日配信記事

(以下引用)

 弁護士が増えて「就職難」の時代が訪れるのに弁護士が足りない「弁護過疎」地域は一向に減らない――。そんな状況を解消するため、日本弁護士連合会が今年度から5年で10億円の予算を見込む新事業に乗り出す。これまでのように都市部から地方に弁護士を派遣するだけでなく、地方で新人を養成して現地で開業させるのが特徴。ふたつの問題を一気に解決しつつ、地域に根ざした弁護士をたくさん生み出すのがねらいだ。

 新事業の主な対象になるのは、地裁支部の管轄区域の中で弁護士1人当たりの人口が3万人を超える弁護過疎地域。東京都と神奈川県以外のほぼすべての道府県にこうした地域があり、日弁連は解消に約400人の弁護士が必要だとみている。

 ただ、新人は複数の先輩弁護士がいる事務所でまず仕事を身につけようとする傾向があり、結果的に都市部への集中を招いている。

 このため、新事業により初めから地方で新人を養成できるようにする。東北や近畿、九州などブロックごとの弁護士会連合会や、都道府県ごとの弁護士会が弁護過疎地域に赴く弁護士を育てようとする場合、養成事務所の開設費1500万円を給付し、事務所に養成費を補助する。さらに養成期間を終えた弁護士が地元で独立して開業する際には、事務所の開設・運営費として計350万円を無利子で貸し付ける。

 3年以内に弁護士を弁護過疎地域に送り出さなければ、養成費を返還するなど、「結果」を出さなければ支援を受けられない仕組みもつくっている。

 こうした支援が就職難にあえぐ新人を地方へと促す効果があると期待している。すでに東北弁連や愛知、栃木などの弁護士会が手を挙げており、今年中にも支援する地域が選ばれる見込みだ。

 日弁連はこれまでも弁護過疎の解消に取り組んできた。弁護士が全くいないか1人だけの地域(ゼロワン地域)に公設事務所を開き、都市部から弁護士を派遣するのが対策の大きな柱。ただ、任期が終わると派遣者が都市部に戻ることが多く、定着が進まないのが悩みだった。

 一方で、司法制度改革により02年に1000人だった司法試験の合格者は増加中。2500人が司法修習を終える今年は、初めて弁護士の求職が求人を上回る事態も予想されている。10年には合格者は3000人になる見込みで、就職難の加速は必至の情勢だ。

 新事業を担当する飯田隆弁護士は「一度、事務所で仕事を始めてしまうと顧客との関係を断ち切って過疎地に赴くのは難しい。しがらみのない新人を早い段階でキャッチするのが効果的だ」と話している。

(引用終わり)

【コメント】

既存の弁護士が行きたがらないような過疎地に、新人を送り込もうというプロジェクトである。
都市圏のパイを新規参入弁護士に渡さないという意味合いもありそうだ。
あふれる弁護士をなんとか過疎地に、ということだが、採算が取れるなら弁護士過疎にはなっていない。
経験豊富なベテラン弁護士に多少補助金を出しても、絶対嫌だということになる。
ならば、何も知らない新人を放り込めばよい。
そういう発想だろう。
なんとなく、戦後の中南米移民事業を連想してしまう。

弁護士会というのは、既存弁護士で構成される以上、既存弁護士の利害を代表する。
しかし、これから弁護士になる者の利害は代表しない。
そのことが如実に現れた感がある。

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