司法修習生、就職先未定が100人超す 日弁連の調査

朝日新聞WEB版2007年08月27日配信記事

(以下引用)

来月から年末にかけて修習を終える司法修習生約2500人のうち、現時点で少なくとも100人以上の就職先が決まっていないとみられることが日本弁護士連合会の調査で分かった。例年なら行き先が固まっている時期だが、今年は、司法制度改革で司法試験合格者が増えている影響で、当初から「就職難」が予想されていた。調査結果は懸念を裏付けた形だ。

 裁判官や検察官、弁護士になるには、司法試験に合格した後、一定期間の司法修習を受ける必要がある。今年は、法科大学院修了者を対象にした新司法試験の初めての合格者約1000人が1年間の修習を12月に終えるのが特徴。新試験と並行して行われている旧司法試験の05年の合格者約1500人も1年4カ月の修習を9月に終える予定だ。

 90年ごろまでの司法試験合格者は年500人程度だったが、法曹人口を増やす方針に基づき合格者数は年々増加。昨年は約1500人が就職活動を行った。今年はさらに1000人増える形になった。裁判官、検察官に任官するのは全体の1割弱で採用数に大きな変化はなく、結果的に弁護士を目指す修習生が激増しているため、日弁連は状況の把握を進めていた。

 今月に入って、旧試験合格者の弁護士登録の申請者数などがまとまった。新試験合格者についても各弁護士会を通じて修習生の就職状況を調査。その結果、100〜150人が求職中であることが判明したという。

 法曹界ではかねて「2007年問題」として就職難を危ぶむ声が高まっていた。合格者は10年には3000人に増える見通しで、来年以降はさらに深刻になる恐れがある。

 このため、日弁連は全国の弁護士事務所のほか、企業や自治体などにも雇用を呼びかけ続けている。弁護士業務総合推進センターの副本部長を務める飯田隆弁護士は「昨年末時点では最悪で500人が就職できないとみていた。全国の弁護士会を通じて雇用を働きかけ、最終的に40〜60人程度に収めたい」と話している。

(引用終わり)

【コメント】

昨年の今頃に、2007年問題についての記事を書いた。
当時は、採用予定人数と求職予定人数の間に1000人近い開きがあった。
それが、実際には100〜150人で済んでいるという。
野次馬的にはがっかりしてしまうほど、就職できてしまっている。
そして、現在就職できていない100〜150人についても、問題は解消可能である。
今年の二回試験は追試がない。
従来の基準を維持するなら、100〜150人程度の不合格者が出てもおかしくない。
とすると、頭数としては、全員就職可能ということになるからだ。

ただ、一つ調整が必要になる。
任官就職と二回試験という要素を掛け合わせると、4つのカテゴリーが生じる。

A:任官就職内定者で、二回試験合格者
B:任官就職未定者で、二回試験合格者
C:任官就職内定者で、二回試験不合格者
D:任官就職未定者で、二回試験不合格者

AとDは調整の必要がない。
他方、Bは就職先がなく、Cは無駄に就職を内定させている。
つまり、Cの就職枠にBをハメ込むという調整が必要となる。
この調整がうまくいけば、問題は解消する。
従って、二回試験の合否が発表されたあと、この調整が円滑に進むかが、焦点ということになる。

今年は事前に就職問題が強く認識されていた。
そのため、日弁連の方でかなりの働きかけがあったはずである。
その成果として、これほどの就職が確保できた。

しかし、これは裏を返せば、本来採用を予定していなかった事務所が採用を行ったという事でもある。
多くの場合、これは採用予定の前倒しとなっているだろう。
採用枠の前借りである。
そうすると、そのシワ寄せは、来年以降に表面化してくることになる。

日弁連は今回の調査結果と同時期に、日本司法支援センター(法テラス)スタッフの追加募集を行っている(募集資料PDF)。
就職難と言われながら、未だに採用枠が残っている。
法テラス弁護士の仕事は、「都市部では民事法律扶助事件、国選弁護事件が中心となり、弁護士過疎地域では、これらに限らずあらゆる相談・事件」(日弁連HP)である。
要するに、普通の弁護士がやりたがらない仕事といっていい。
就職できない人間が、やむを得ず法テラスに行く。
来年以降、そういう構図が現実化することになりそうである。

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