法科大学院協会の慶大に対する処分について

nikkei.net2007/09/03配信記事

(以下引用)

法科大学院協会、慶大の会員資格を1年間停止

 慶応大法科大学院の植村栄治元教授(8月に依願退職)が、新司法試験の考査委員にもかかわらず答案練習会などを実施し、考査委員を解任された問題で、全国74の法科大学院でつくる法科大学院協会(佐藤幸治理事長)は1日開いた臨時理事会で、慶大の協会会員資格を1年間停止する処分を決めた。

(引用終わり)

トカゲの尻尾切り

この記事を見て、法科大学院協会が漏洩問題に前向きになったと考えるのは誤りである。
同協会の意図は、この問題を植村元教授一人の問題として終わらせることにある。
今回の処分発表と同時に公表された理事長声明(PDF)において、以下のような記述がある。

今般の事件は一法科大学院における一教員の特異な行為であることは明白であるが、法科大学院の教育理念や新司法試験の趣旨に対する国民の理解を阻害したことは否定できない。何よりも、法科大学院における教育があたかも新司法試験に合格させることだけを目的とするものであるかのような誤解を広めたのではないかと危惧される。

「一教員の特異な行為」である以上、組織的対策は不要という立場だろう。
法科大学院協会会員資格の停止は、面子という点では重要かもしれないが、実質的には大して重要でない。
法科大学院協会の活動は以下の通りである(法科大学院協会WEBより)

(1) 法科大学院が行う法学教育の内容及び教育条件整備の検討と提言
(2) 法科大学院の教員の研修
(3) 司法試験のあり方に関する検討と提言
(4) 法科大学院の入学者選抜方法の検討と提言
(5) 適性試験に関する検討と提言などの事業

資格停止の効果は、検討・提言すなわち協会としての意見表明に参加できなくなるというにとどまる。
ローとしての主たる活動には、ほとんど何の不利益も無い。
しかも、その期間もたったの1年間だ。
処分自体は、形式的なものに過ぎない。

また、法科大学院協会の理事長が司法制度改革審議会座長だった佐藤幸治であることに驚いた人も多いのではないか。
法科大学院構想を推進し、自分が協会の理事長に座る。
これを当然と考えることもできるし、一種の利権と考えることもできよう。

戻る