平成19年度新司法試験結果について(4)

選択科目別合格率

  受験者数 合格者数 合格率
倒産 1046 456 43.6
租税 236 100 42.3
経済 433 175 40.4
知財 766 298 38.9
労働 1453 591 40.7
環境 251 97 38.6
国公 92 30 32.6
国私 320 104 32.5

国際公法、国際私法が非常に低いのが気になる。
これは、国際公法と国際私法の問題が難しかったことを意味しない。
得点調整があるからだ。
仮に、ある選択科目だけが難解すぎ、その科目は全員が零点だったとする(足切りは無視する)。
そうすると、その科目の点数は全員、他科目の平均点となる。

法務省資料の算式で計算してみて欲しい。
その科目は全員零点なので、「甲の得点」も、「A委員が採点した答案全体の平均点」も、ゼロを代入することになる。
そうすると、算式左部分の分数の分子はゼロになる。
よって、0*配点率+全科目の平均点となるから、全科目平均点のみが残ることになる。
得点調整は考査委員間の格差だけでなく、科目間格差も是正するようになっている。
むしろ、問題が難しかったのは、足切りの多かった倒産法と考えられる。

そうなると、国際公法、国際私法を選択する受験生の実力が低かったということになる。
新設私大などで、やたらと「国際」の名の付く大学名、学部などが多い。
てっとり早く学生が集まるからだという。
そのようなフレーズに吸引されるような人には一定の類型性があるといえよう。

逆に、来年以降の戦略として、実力者の多い倒産・租税を回避し、国際法を選ぶという考え方は有効かもしれない。

受験回数別合格率

受験者ベースのデータが見つからなかったので、出願者ベースで算出した。

  出願者数 合格者数 合格率
1回目 4061 1250 30.8
2回目 1197 525 43.9
3回目 143 76 53.1

確かに差が開いている。
しかし、未修既修の差が10%以上あったことを考慮すると、それほど顕著な差でもないかもしれない。
受験回数2〜3回は、ほとんど既修者が占めていると思われるからだ。
また、出願者ベースなので、1回目受験生の受け控えも考慮しなければならない。
受験者ベースだと、もう少し差は縮まっているはずである。

合格者年齢

合格者の平均年齢は29.20。
昨年の28.87より0.33増えた。
これは昨年の不合格者が自動的に1つ歳をとるからと考えていいだろう。
新規参入者の年齢層にあまり変化は無いと思われる。
従って、来年も若干の年齢増加があると予測できる。
今後、三振制度により受験者の新陳代謝が機能し始めると、合格者年齢も安定してくるだろう。
そして、旧司法試験組を吸収してしまえば、年齢層は低下の方向に向かうと思われる。
もっとも、三振者がローに入り直す等がないことが前提であるが。

合格者名簿

法務省は受験番号を公表するのみである。
全国紙も、合格者の氏名を公表しない。
しかし、西日本新聞北日本新聞のようなローカル紙のみ、なぜか氏名を公表している。
合格者名簿を法務省が配布しているのか、独自取材なのか、その辺はわからない。

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