本格化する弁護士の抵抗

時事ドットコム2007/10/06 14:37配信記事

(以下引用)

司法試験合格「増加は不要」=業務拡大悲観的、危機感浮き彫り−弁護士アンケート

 有志の弁護士グループが全国の弁護士を対象に行ったアンケート調査で、弁護士人口の増加について、9割近くが「必要ない」と考えていることが6日、分かった。活動分野の拡大にも悲観的な意見が多く、弁護士大増員時代に危機感を持っている実態が浮かび上がった。

(引用終わり)

批判的意見が弁護士の大勢か

有志の弁護士グループとは、「司法『改革』を考える関東十県会有志の会」という団体らしい。
正式な団体というよりは、有志の弁護士を総称する感じだろう。

これによると、合格者の年間約3000人増加について、86.6%が「不必要」の回答。
妥当な合格者数につき、「千五百人以下」との回答が84・4%。
最近の相談、受任件数の「減少」が42・0%。
国民に与える影響を「悪い」とした回答が69・5%
「弁護士の需要拡大が望める分野の有無」では「ある」が22・9%、「ない」は39・7%。
新人弁護士の採用予定がない回答者の採用検討可能な年間給与について、70人が「400万円以下」とした。

この数字を見ると、弁護士のほとんどが合格者数増に対して批判的であるように見える。

統計的には評価は微妙

だが、今回のアンケートは、有効回答数が少なすぎる。
アンケート方法は、全国約2万3000人の弁護士に質問票をファクスする方法である。
しかし、回答したのは、わずか1416人のみだった。
これは、全体の約6%に過ぎない。

このようなアンケートに回答するのは、合格者増に対して問題意識の高い人が多いだろう。
回答をするか、しないかという時点で、バイアスがかかっている。
そうである以上、この結果が、弁護士の総意を示すと断定する事はできない。

風向きが変わりつつある

しかし、このような全国規模のアンケートが実施された事自体が重要である。
弁護士もそれなりに忙しい。
ちょっとした趣味でこのようなアンケートを実施することはない。
少なくとも、弁護士の中に多大な危機感を抱いているものが相当数いるということを示している。
日弁連の意思決定に反して、合格者増の方針に反対しようという動きが生じている。

このような運動は、「司法『改革』を考える関東十県会有志の会」だけが行っているのではない。
今年9月18日には、纐纈和義弁護士らをはじめとする中部六県の弁護士155人が、中部弁護士連合会に対し、政府方針に反対を表明する議案を提出している(中日新聞2007年9月19日 朝刊)。
今月19日の定期大会にかけられるという。
仮に決議が通れば、それなりのインパクトがありそうだ。

既に、愛知県弁護士会では、今年2月の時点で三千人増員計画の見直しを求める意見書を採択している(弁護士人口に関する意見書)。

鳩山法相の多すぎる発言は、こうした流れを受けてなされたものといえる。
小泉−安倍政策からの修正という政治の流れが影響している部分もある。

今後、法務省が明確に方針転換をすることになるのか、注目される。

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