新旧60期対決、結果は

新旧対決結果が出る

以前の記事で、今年の二回試験は初の新旧直接対決となることを書いた。
そして、その結果が判明した。

asahi.com2007年12月18日18時59分の記事

(以下引用)

 法科大学院修了者を対象にした初めての新司法試験で合格し、司法修習生になった約1000人(新60期)のうち986人が11月、司法研修所の卒業試験を受け、59人が不合格となったことがわかった。最高裁が18日に発表した。不合格者は希望が認められれば、次の期の卒業試験を受けられる。

 今回の試験は、旧司法試験に合格しながら司法研修所の卒業試験で不合格となった「59期」「旧60期」の再受験組69人も受けた。再受験組は17人が不合格だった。

(引用終わり)

ほとんど引き分け

昨年の新司法試験合格者1009人中986人が受験して、59人不合格。
合格率は、受験者ベースで約94.0%。
旧60期は1468人が受験して、71人が不合格。
受験者ベース合格率は、約95.1%だった。

旧60期の方が1.1ポイント高い。
初の新旧対決は、旧60期の辛勝、もしくは、引き分けといっていい。

一般的な新旧の実力か

今回の結果をもって、新旧の差はほとんどないと断定してよいだろうか。
旧60期は、旧試験の中でもザルと言われた年の合格者集団である。
他方、新60期は、合格率からみる限り旧60期をはるかに上回るザル試験の合格者達である。
もっとも、既修者のみであり、また、旧司法試験組からいち早く乗り換えた情報収集力の高い者達の集団でもある。
その意味で、旧60期、新60期はそれぞれ新旧試験の中でも特殊な要素を持っている。
そうであるなら、今回の結果をもって、新旧の一般的な実力が互角と判断することはできないことになる。
今後は、旧試験組は合格者数の激減があり、新試験組は未修の参入、合格者数の増加がある。
これが、どう結果に反映するか、注目される。

再試験でも二桁落ちた59期、旧60期

今回の二回試験は、59期、旧60期の不合格者にとっての再試験でもあった。
不合格者87(59期16人、旧60期71人)人中、69人が受験し、17人が不合格となっている。
受験者ベースの合格率は、約75.4%。

再試験組は、これまで積み重ねたものを全て失いかねない危機を背負っていた。
従って、死ぬ気で勉強してきたはずである。
それからすると、この合格率は、低すぎるだろう。

もっとも、法曹の能力を欠いた者が数ヶ月程度真面目に勉強したところで無理だというのも、ある意味理解できる。
その意味では、二回試験は駄目人間をちゃんと落とすという機能を果たしているといえる。
同時に、新60期の受けた二回試験の方が簡単な問題だった、というわけではないということも言えそうだ。

安心して落とせた最高裁

これまでは、二回試験で不合格者を出すことについて、やや最高裁に躊躇があっただろう。
法務省の合格者増の方針と矛盾しかねないからだ。
二回試験で不合格者をたくさん出すくらいなら、当初の司法試験で絞る方がいいということになりかねない。

だが、今年に関しては、合格者増の方針に対して、逆風が吹いていた。
以前の記事で紹介した地方弁護士会の反対だけでなく、与党自民党内でも、合格者増の見直しが検討され始めている。

読売新聞WEB版2007年10月16日19時29分記事

(以下引用)

司法試験合格者増の見直しの是非、自民調査会が検討を決定

 自民党は16日の司法制度調査会(臼井日出男会長)で、2010年度までに司法試験の合格者数を年間3000人程度に増やすとした政府目標の見直しの是非を検討することを決めた。

(引用終わり)

このような流れの中で、最高裁は安心して不合格者を出すことが出来た。
今年の不合格者の急増は、このような環境要因もある程度作用していた可能性がある。

予測される新60期の再試験の結果

今回の59期、旧60期の再試験の結果から、来年の新60期の再試験合格者数を推計してみよう。
新旧の初回試験の合格率がほぼ同じだった事から、新60期の再試験合格率も、旧と同じと仮定する。
もっとも、新60期の不合格者59人の全部が再試験を受けるとは限らない。
そこで、59期、旧60期の不合格者が再試験を受験した割合と同じ割合で、新60期も再試験を受験すると仮定しよう。

59期、旧60期の再受験率は、69/87≒79.3%

そうすると、新60期の再受験者数は、59*0.793=46.787
従って、47人が再受験すると推計できる。
そこで、59期、旧60期の再試験合格率75.4%から合格者数を算出する。

47*0.754=35.438。

よって、新60期の再試験では、47人が受験して、35人が合格、12人が不合格になると予測する。

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