旧司法試験出願者数公表

出願者数からわかること

4月22日、法務省は平成20年度の旧司法試験の出願者数を公表した。
出願者総数21994人。
昨年と比較して6022人の減少である。

以下は、合格者数がピークとなった平成16年度以降の推移を表にしたものである。

年度 出願者数 受験者数 択一合格者数 論文合格者数 最終合格者数 出願者合格率 受験者合格率
16 49991 43367 7438 1536 1483 2.97 3.42
17 45885 39428 7637 1454 1464 3.19 3.71
18 35782 30248 3820 542 549 1.53 1.81
19 28016 23306 2219 250 248 0.89 1.06
20 21994            

当然であるが、平成20年度については、出願者数以外空欄となっている。
しかしながら、出願者数がわかったことで、残った空欄を推計することは可能だ。

受験者数

以下は、平成16年度以降の受験率である。

年度 受験率(受験者数/出願者数)
16 86.7%
17 85.9%
18 84.5%
19 83.1%
20 82%?

平成16年度から、概ね1%ずつ下落していっている。
そして、平成19年が83.1%。
そうすると、平成20年は82%くらいだろうと推測できる。
受験率を82%とすると、今年の受験者数は、

21994*0.82=18035.08

よって、今年の受験者数は、18035人だろうと推計できる。

年度 出願者数 受験者数 択一合格者数 論文合格者数 最終合格者数 出願者合格率 受験者合格率
16 49991 43367 7438 1536 1483 2.97 3.42
17 45885 39428 7637 1454 1464 3.19 3.71
18 35782 30248 3820 542 549 1.53 1.81
19 28016 23306 2219 250 248 0.89 1.06
20 21994 18035?          

最終合格者数

最終合格者数の見通しについては、以前の記事で述べた。
旧司法試験については、200人弱くらいだろうと予測した。
その点について、もう少し補足する。

司法試験委員は、旧司法試験の受験者が減らないことに苛立っている。
つまり、さっさとローに行けと思っている。
第35回司法試験委員会会議において、そのことが議論されている。

第35回司法試験委員会(平成19年5月24日開催)会議議事録より引用
(◎は、委員長(橋宏志)、○はその他の委員の発言)

◎ 他方,旧司法試験の方は減ったといってもまだ2万人,先ほども言ったが,300人の合格で約2万3,000人が受験している。どうなるのか。今年が最後で来年からはがくっと減るのか。旧試験を実施している限り,新規参加者もゼロではないだろう。

○ 旧試験の合格者で,新規に受験する者と,そうではなく制度の変わり目以前から受験していた者の割合,人数等が分かるとよいと思う。

○ 大学生が受験するとか,併行実施期間が始まってから以降に初めて受験するというのは,併行実施の趣旨とは違うと思う。

◎ 100人,50人程度の中での人数の違いではあるが,旧司法試験の方は,最後まであまり減らせないのか,あるいは,はっきり新制度への転換,警告の意味も込めてがくっと減らしてしまうのか。

○ 旧司法試験合格者と新司法試験合格者で,就職状況が違うというようなことはあるのか。

○ それを分析した数字は出ていないが,いろんな人たちの話を聞いていると,どうしても,どこか旧司法試験に対するノスタルジーがあるのか,何か法科大学院に対する警戒感があるのか,どちらかといえば旧司法試験組を採りたいという人がいるという意見も聞く。例えば,実務修習のときの印象なども聞くが,旧司法試験組の方がレベルが高いんじゃないかという声もある。ただ,それは私に言わせると,求めるものが違うのだろうという気がする。旧司法試験組の方が勉強時間が長く,知識があるのかもしれないが,旧司法試験組に求めていたことを,同じように新司法試験組に対して求めるのは気の毒だなという感じがする。新司法試験組は新司法試験組で,それとは違う良さがあるはずだと思う。

○ 評価する者の評価基準が,自分たちは旧試験に合格してきたということに影響されているからなのかもしれない。

◎ 旧試験の合格者について,300人から,平成20年は,今の案でいくと,いずれも200人にするという。これを更に,150や100に落とせるか。仮に,平成20年に100に落としたら,これは,司法試験委員会の強いメッセージになると思うが。

○ 合格者が300を下回ると,さすがに,法科大学院の方に行こうという方向に相当移ると思われる。

○ 合格するという可能性が低くなければ,受験者も減るはずである。

平成19年の旧司法試験最終合格者数は248人。
当初目安とされていた300人を大きく下回ってきた。
上記発言は、本気だったのである。
上記議事録には、平成20年は100人に落とせないか、などという発言もある。
◎マークがついているから、高橋宏志委員長の発言である。
これはやりかねない、とも感じる。
ただ、現状では、100人はさすがにちょっと無いだろう。
上記会議を受けて「併行実施期間中(平成20年以降)の新旧司法試験合格者数について」という文書が出ている。
それによると、旧司法試験の合格者数は、当初の合格者数案と変わっていないからだ。

「併行実施期間中(平成20年以降)の新旧司法試験合格者数について(平成19年6月22日)」より引用

旧司法試験の合格者の概数については,平成17年に合格者の概数を示した際,同18年は500人ないし600人程度,同19年は300人程度を一応の目安とするとしたことを踏まえ,上記2で述べた考慮事項を勘案し,同20年は200人程度を,同21年は100人程度を,同22年はその前年よりも更に減少させることを,それぞれ一応の目安とするのが適当と考える。

当初の合格者数案と同様、平成20年は200人程度となっている。
そういうことも考えると、180人くらいが無難なところではないか。

年度 出願者数 受験者数 択一合格者数 論文合格者数 最終合格者数 出願者合格率 受験者合格率
16 49991 43367 7438 1536 1483 2.97 3.42
17 45885 39428 7637 1454 1464 3.19 3.71
18 35782 30248 3820 542 549 1.53 1.81
19 28016 23306 2219 250 248 0.89 1.06
20 21994 18035?     180?    

出願者・受験者合格率、論文合格者数

そうすると、合格率は算出できる。

出願者合格率=180/21994≒0.81%
受験者合格率=180/18035≒0.99%

また、論文合格者数は、近年では最終合格者数と大差無い。
昨年度の口述不合格者から合格する者と、その年の口述不合格者とが相殺する形になっているためだ。
そこでこの際、同じと仮定して推計する。

年度 出願者数 受験者数 択一合格者数 論文合格者数 最終合格者数 出願者合格率 受験者合格率
16 49991 43367 7438 1536 1483 2.97 3.42
17 45885 39428 7637 1454 1464 3.19 3.71
18 35782 30248 3820 542 549 1.53 1.81
19 28016 23306 2219 250 248 0.89 1.06
20 21994 18035?   180? 180? 0.81? 0.99?

択一合格者数

今年の択一合格者数というのは、旧司法試験受験生にとっては気になるところである。
これについても、それなりの精度で推計ができそうだ。

昨年の受験者合格率は、1.06%。
今年の受験者合格率の推計値は、0.99%

その差は、わずか0.07%である。
ほとんど同じといっていい。
そうすると、択一合格率も、昨年と同様になると考えられる。

昨年の択一合格率は、2219/23306≒9.52%

今年も、それと等しい択一合格率と考えると、

択一合格者数=18035*0.0952≒1716人

これで、空欄は全て埋めることができた。

年度 出願者数 受験者数 択一合格者数 論文合格者数 最終合格者数 出願者合格率 受験者合格率
16 49991 43367 7438 1536 1483 2.97 3.42
17 45885 39428 7637 1454 1464 3.19 3.71
18 35782 30248 3820 542 549 1.53 1.81
19 28016 23306 2219 250 248 0.89 1.06
20 21994 18035? 1716? 180? 180? 0.81? 0.99?

難易度は昨年と変わらず

完成した表を見る限り、昨年度と難易度は変わらないといえる。
平成20年度は平成19年度と同様、受験者合格率がおよそ1%、競争率100倍の超激戦となる。
しかし、平成19年度より過酷ということではない。
これが、今年度の旧司法試験の状況ということになる。
余談だが、平成19年度の夏の高校野球神奈川大会では、194校が出場した(神奈川県高野連webトーナメント表、xlsファイル)。
甲子園に出場できるのは1校。
すなわち、神奈川県における甲子園出場の競争率は、194倍である。

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