合格点46
6月5日に、法務省が旧司法試験択一式試験の結果を公表した。
合格点は46点だった。
試験実施直後の感想としては、45点くらいかと思っていた。
それよりは1点高かった。
問題の難易度からすると、厳しい合格ラインだとは思う。
ただ、旧司法試験の現状からすると、やむを得ないだろう。
もっとも、その厳しさは、必要な知識量が増えたという意味ではない。
そうではなく、少しのミスも許されなくなったという意味である。
憲民の難しい問題10問程度をあっさり捨て、それ以外をパーフェクトで取る。
それが出来る人が受かりやすかったと思う。
合格者数等について
事前の予想では、受験者数18035人、合格者数1716人だった。
実際の受験者総数は18201人、合格者数は1605人だった。
予想より100人ほど合格者が絞られた。
ただ、概ね予想通りの結果だったということが言える。
合格者年齢の上昇幅拡大
むしろ、意外感があったのは合格者平均年齢である。
33.36歳。
昨年度よりも、1.85歳高い。
1歳程度あがるのは理解できる。
昨年度の受験生が今年も受ける場合、自動的に1つ歳をとるからだ。
しかし、それを上回る上昇幅となっている。
下記は、平成13年度以降の択一合格者・出願者の平均年齢の推移である。
年度
択一合格者
平均年齢択一合格者
年齢前年比出願者
平均年齢出願者−合格者 13
28.91
31.26
2.35 14
28.79
−0.12
31.21
2.42 15
28.82
+0.03
31.39
2.57 16
29.54
+0.72
31.97
2.43 17
30.00
+0.46
32.77
2.77 18
30.43
+0.43
?
? 19
31.51
+1.08
?
? 20
33.36
+1.85
?
? 択一合格者の平均年齢は、平成15年度以降一貫して上昇している。
しかし、平成18年度までは、その上昇幅は1歳を下回っていた。
昨年度に1歳をわずかに超え、今年はそれを大きく超えてきた。
これは、若手の新規参入が減ったというだけでは説明できない。
既存の受験生のうち、若年層が撤退又はローに回った。
他方、30を超えた受験生は、撤退もローへの転向もできずにいる。
そういう状況になっていると思われる。法務省は平成18年度以降、出願者の平均年齢を公表しなくなった。
しかし、これまでの推移では、出願者年齢−合格者年齢は、概ね2.5歳程度である。
そうすると、今年については、出願者平均年齢は、35を超えている可能性が高い。
出願者の大半が、30代後半ということになる。旧司法試験受験生の中には、将来予備試験を受験する者も少なくないだろう。
そうなると、予備試験受験生の平均年齢は相当高くなるはずだ。
他方、予備試験の新規参入者は、おそらくローから受験して三振した者である。
ローで2〜3年、そして三振分の3年。
合わせて5〜6年ということで、三振者は若くても20代後半である。
そして、その者達も毎年歳をとる。
そうすると、予備試験の受験者の平均年齢が、新規参入によって大きく下がることは考えにくい。
将来的に予備試験受験生の高齢化ということが、深刻な問題となる可能性がある。