1.平成26年予備試験短答式の結果が公表されました。合格点は、170点。合格者数は、2018人でした。合格点は予想どおりでしたが、合格者数は、予想より少なかった。その原因は、合格率が19.5%と、初めて2割を割ったことにあります。
下記は、短答、論文の合格者数及び合格率の推移です。
受験者数 | 短答 合格者数 |
短答 合格率 |
論文 合格者数 |
論文 合格率 |
|
23 | 6477 | 1339 | 20.6% | 123 | 9.1% |
24 | 7183 | 1711 | 23.8% | 233 | 13.6% |
25 | 9224 | 2017 | 21.8% | 381 | 18.8% |
26 | 10347 | 2018 | 19.5% | --- | --- |
2.受験者数、短答合格者数を前年と比較すると、今年の短答合格者数の意外性がすぐわかります。受験者数は千人以上増えているのに、合格者数は1人しか増えていない。短答合格率は、2年連続で低下しています。ただ、それが最終合格者を絞る意図かというと、そうでもない。なぜなら、昨年の論文合格率は、むしろ大きく上昇したからです。仮説としては、論文採点者の確保が難しいために、短答合格者数を絞らざるを得ないのではないか、ということは考えられます。ですから、今回の結果から、論文合格者数も横ばいになるという断定は、できないでしょう。
3.得点別人員をみると、165点以上は2431人、175点以上は1617人です。5点刻みで初めて2000人を超える数字を取ると、170点になる。この「2000人基準」は、現在、本試験の最終合格者数の基準になっています(「平成25年司法試験の結果について(2)」)。似たような基準で、予備の短答も決まった可能性がある。そして、その原因は、前記のとおり、論文採点者の確保にある。仮にこのような考え方が正しいとすれば、今後もしばらくは、「予備の短答は2000人」ということになります。一方で、受験者数は増えるでしょうから、短答は次第に受かりにくくなっていく。その可能性は、十分あるように思います。