2015年12月のツイートまとめ

2015年12月01日(火)5 tweets
 
12月1日
『2015年11月30日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43051012.html…
 
12月1日
司法出題趣旨民法設問1(2)Dの反論。出題趣旨のような理論構成で書ける人は、ほとんどいないでしょう。ですから、ここは結果的に合否を分けない部分となっています。このようなところは、いかに時間と紙幅をロスしないようにするか、という発想の方が大事です。
 
12月1日
参考答案は、Dに利得がないということで簡単に処理しています。出題趣旨は、代金支払い前に付合が生じたからその時点で利得はあるとしますが、付合時に既にDは代金債務を負っている以上、利得がないと考えることは可能でしょう。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
12月1日
ただし、騙取金弁済の事案では、騙取金で弁済を受けた債権者は債権を失っているのに、利得はあると考えられています。その発想からは、代金債務を負ったり、その支払をしても、利得は否定されないことになるでしょう。このことが、どの程度一般的に言えることなのか。理論的には、大変な難問です。
 
12月1日
とはいえ、ここで大事なことは、時間と紙幅のロスを最小限にする、ということです。理論的に正しいか、ということは、あまり考える必要はありません。極端にいえば、形式的に問いに答えていれば、内容的には実質白紙でよい。参考答案はその一例です。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
2015年12月02日(水)8 tweets
 
12月2日
『2015年12月01日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43056208.html…
 
12月2日
平成27年司法試験予備試験論文式試験出題趣旨
http://www.moj.go.jp/content/00116558.pdf…
 
12月2日
司法出題趣旨民法設問2(1)。所有権喪失の抗弁が本筋です。これは、問題文に「Eが所有することを争うことによって」と書いてあることから読み取れます。ただ、対抗要件の抗弁で書いても、正しく論述していれば評価されたようです。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月2日
「Gが「丸太③をEが所有することを争うことによって」Eの請求を拒否する旨主張する根拠は,Fが対抗要件を具備することにより丸太③の所有権を確定的に取得した結果,Eがその所有権を喪失したことに求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月2日
「このほか…対抗要件の抗弁を考える余地もある。これは…Gが民法第177条の第三者に当たること,あるいは民法第177条の第三者に当たるFの地位をGが援用することにより…Eはその所有権の取得をGに対抗することができないという構成による」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月2日
今年は、対抗要件の抗弁で書いても、それなりに評価されたようですが、場合によっては採点対象から外されてしまう場合もあり得ます。憲法でC・Dの関係を14条以外で書いた人は、そのような評価になっているようです。単純な問題文の読み方だけで評価を落としてしまわないよう、注意が必要です。
 
12月2日
対抗要件の抗弁も、具備するまでEの所有を認めないという意味だから、「Eが所有することを争う」といえそうです。憲法でも、「差別」というが、実質は思想を問題にしてるから19条だ、といえそうです。しかし、そのような読み方は評価を落とす。素直な問題文の読み方を身に付けることが重要です。
 
12月2日
受かりにくい人は、自分の理解に固執する傾向があります。こうも考えられるだろう、だから自分は間違っていない、と試験終了後に周りと議論する。しかし、そこで周囲を論破しても採点のされ方は変わりません。司法試験の採点は理不尽です。しかし、そこは我慢して合わせていくより仕方がありません。
 
2015年12月03日(木)5 tweets
 
12月3日
『2015年12月02日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43061263.html…
 
12月3日
司法出題趣旨民法設問2(1)。所有権喪失の抗弁で書く場合の権利関係が詳細に書かれています。この辺りを丁寧に説明できると、評価されたでしょう。ただ、この点は優秀・良好の領域です。参考答案程度に書けていれば、十分合格レベルだと思います。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
12月3日
「丸太③が,甲土地から切り出される前は,甲土地に生育していた立木である」
「本件立木は,甲土地の定着物(民法第86条第1項)ないし甲土地と付合して一体となるもの(民法第242条)であることから,甲土地の所有者であるAに帰属する」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月3日
「EはAから売買により本件立木の所有権を取得し…その後本件立木が甲土地から切り出されても,Eの所有権は切り出された丸太に及び続ける」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月3日
「本件立木は甲土地の定着物ないし甲土地と付合して一体となるものであることから,厳密に言うと,Fは,甲土地の売買により本件立木の所有権を取得し,甲土地の所有権移転登記により本件立木についても対抗要件を具備することになる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
2015年12月04日(金)6 tweets
 
12月4日
『2015年12月03日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43065942.html…
 
12月4日
司法出題趣旨民法設問2(1)。対抗要件の抗弁で書く場合、受寄者であるGが「第三者」に当たるかを検討すべきことが書いてありますが、その詳細は書いてありません。ここは、少し解説を要するところです。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月4日
「受寄者が民法第177条の第三者に当たるか否かが問題となることなどを踏まえて,対抗要件の抗弁が認められる理由を適切に論じることが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月4日
動産受寄者につき、判例は178条の「第三者」に当たらないとしています(最判昭29・8・31)。しかし、この判例は、売主からの受寄者に対して買主が引渡請求をした事案であるということに注意が必要です。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/etail2?id=57293…
 
12月4日
「上告人が…本件動産をDに売り渡し即時その引渡をなすとともに、同人の寄託によりこれを保管している…Dは…右物件を被上告人に売り渡したがその引渡は行われなかつた…上告人は…Dに代つて一時右物件を保管するに過ぎないもの…正当の利害関係を有するものということは出来ない」
 
12月4日
すなわち、この判例は、寄託者も返還請求者に対し、返還を拒めない事案なのです。しかし、本問は、寄託者FはEからの返還請求を拒める地位にあります。これを考慮してGも「第三者」に当たるとするか、あるいはFの第三者の地位を援用できるとするか、いずれにせよ判例とは異なる結論になるでしょう。
 
2015年12月05日(土)4 tweets
 
12月5日
『2015年12月04日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43070727.html…
 
12月5日
司法出題趣旨民法設問2(2)。問題文の【事実】9で「近くに住む年金暮らしの叔父G」という事情が何でわざわざ書いてあったのか。これは、商事留置権を検討しなくてよいという趣旨であることが、出題趣旨で明示されています。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月5日
「まず,Gの主張が民事留置権(民法第295条)に基づくものであることを示す必要がある。商事留置権の成否について検討する必要はない(【事実】9を参照)」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月5日
民事系第1問は基本的に民法からの出題ですから、ここで商事留置権を考える人自体が少ないでしょう。しかし、こういう場合でも、本試験は商事留置権が問題にならないようにきちんと事情を設定してくる。このことは、知っておくべきです。こういうことを知っておくと、変な深読みをしなくて済みます。
 
2015年12月06日(日)3 tweets
 
12月6日
『2015年12月05日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43075308.html…
 
12月6日
司法出題趣旨民法設問2(2)。ほとんどの人が、留置権を思い付きます。しかし、書き方で大きく差が付く。ポイントは、各要件の意義(規範)を明らかにした上で、それに当てはまる事実を明示したか否かです。そのことが出題趣旨にも示されています。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月6日
「民事留置権の…それぞれの要件の意味を示し,それに該当する事実の有無を判断することが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
2015年12月07日(月)4 tweets
 
12月7日
『2015年12月06日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43079780.html…
 
12月7日
司法出題趣旨民法設問2(2)。出題趣旨は、留置権の要件の主張立証責任の所在について留意せよ、と言っています。これは、被担保債権の弁済期到来及び占有開始原因が不法行為でないことについては、相手方に主張立証責任があるということを指しているのでしょう。
 
12月7日
「民事留置権の要件…について,主張・立証責任の所在にも留意しつつ,それぞれの要件の意味を示し,それに該当する事実の有無を判断することが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月7日
しかし、本問では主張立証責任の所在によって結論が変わるということはありませんし、出題趣旨にも、具体的にその検討がどう影響するかが示されていません。しかも、留置権の要件の主張立証責任は、基本的な知識ともいえないでしょう。ですから、これはほとんど気にしなくてよい記述だと思います。
 
2015年12月08日(火)6 tweets
 
12月8日
『2015年12月07日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43084614.html…
 
12月8日
司法出題趣旨民法設問2(2)。一見すると、留置権の要件を全部検討しなければいけなかったかのように読める部分があります。しかし、きちんと読めば、牽連性の有無を十分に論じて留置権の成立を否定する場合には、他の要件の検討は要しないことが明示されています。
 
12月8日
「民事留置権の要件の全て,すなわち,(i)他人の物を占有していること,(ii)その物に関して生じた債権を有すること,(iii)被担保債権の弁済期が到来していること,(iv)占有が不法行為によって始まったものでないことについて…判断することが求められる」
 
12月8日
「(i)や(ii)の要件について必要十分な検討を経てその充足が否定される場合には,民事留置権の成立を否定する結論を出すために,他の要件について検討する必要はない…他の要件について検討していないことを理由に不利に扱われることはない」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月8日
ただ、いつもこのように採点される、と決め付けてはいけません。問題によっては、複数の要件のうちの1つを欠く場合でも、他の要件の検討が求められることがあります。典型例は刑法で、多くの場合、充足しない構成要件だけを検討するのは危険です。ケースバイケースで考えるべきです。
 
12月8日
本問の場合は、多くの人が牽連性をメインで検討し、その成立を否定するのが普通ですし、不法行為との関係は気付かない人の方が多いでしょう。また、小問の数の多い本問では、他の論述とのバランスから、全部の要件を検討するのが難しい。そういう事情もあって、こういう採点になったと理解すべきです。
 
2015年12月09日(水)6 tweets
 
12月9日
『2015年12月08日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43089441.html…
 
12月9日
司法出題趣旨民法設問2(2)。「他人の物」に当たるかも検討して欲しかったということが書いてあります。これは、債権者以外の所有であれば足りるとするのが判例(最判昭38・2・19)で、当サイトの定義趣旨論証集にも収録しています。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00WPGIT3C
 
12月9日
「留置権の目的物である丸太④は…Eの所有に属する。それに対して,被担保債権である丸太④の保管料債権の債務者はFであるため…被担保債権の債務者以外の者が所有する物も「他人の物」といえるか否か…検討をすることが期待される」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月9日
「留置権の成立要件である民法二九五条一項の「他人ノ物」とは、債権者以外の者の所有する物をいい、債務者以外の者の所有する物をも含むと解すべき」
最判昭38・2・19
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/etail2?id=65708…
 
12月9日
「他人の物」(295条1項)の意義
重要度:C
 「他人の物」(295条1項)とは、債権者以外の者の所有する物をいい、債務者以外の者の所有する物をも含む(判例)。
司法試験定義趣旨論証集(物権)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00WPGIT3C
 
12月9日
ただ、定義趣旨論証集でもCランクになっているとおり、この論点は重要度が低く、多くの人が牽連性の方で問題にすることもあって、書けなくても問題はありません。当サイトの参考答案でも、この点は敢えて省いています。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
2015年12月10日(木)8 tweets
 
12月10日
『2015年12月09日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43094818.html…
 
12月10日
「第3回試行試験の対象者及び試験科目は、以下のとおりとする。
 
1年次(未修者) 憲法・民法・刑法
 
2年次(未修者・既修者)憲法・民法・刑法
民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法
 
試験は原則として1日で実施する」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月10日
「7科目の試験を実施する際の試験時間(イメージ)
(試験時間)
民法:75分
その他:50分」
第3回共通到達度確認試験試行試験の基本的枠組みについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月10日
「(進行イメージ)
8:45~9:35憲法
9:55~11:10民法
11:30~12:20刑法
13:40~14:30民事訴訟法
14:50~15:40刑事訴訟法
16:00~16:50商法
17:10~18:00行政法」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月10日
司法出題趣旨民法設問2(2)。メイン論点は、所有者と被担保債権の債務者が異なる場合に牽連性を認めてよいか、という点でした。ここはメイン論点だけに、出題趣旨は「制度趣旨に遡った検討」を期待しています。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月10日
「留置権の目的物である丸太④は…Eの所有に属する。それに対して,被担保債権である丸太④の保管料債権の債務者はFであるため…被担保債権と物との間に牽連性が認められるか否かについて,留置権の制度趣旨に遡った検討をすることが期待される」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月10日
この場合に大事なことは、何となく制度趣旨を書いて、「○○の趣旨からすれば…否定すべきである」などと、規範も示さずに結論を書いてしまうことです。これは評価を大きく落とします。自分は趣旨から書いたのになぜか評価が低い、という人は、その辺りをチェックしてみるべきでしょう。
 
12月10日
参考答案は、「そもそも留置権の趣旨は…」のような論述はしていませんが、趣旨を盛り込んだ規範(定義趣旨論証集収録のもの)を明示し、当てはめています。時間や紙幅を考慮すれば、この程度で十分でしょう。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
2015年12月11日(金)11 tweets
 
12月11日
『2015年12月10日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43099903.html…
 
12月11日
「第3回試行試験には、法科大学院における教育の内容や現状に対して理解のある実務家(法科大学院教員、法科大学院教員経験者等)が問題作成へ参画することが望ましいと考えられる。
 その際、法曹三者が参画することが望ましいのではないか。」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月11日
「第3回試行試験においては、試験科目を7科目とした際の実施体制の在り方を検証するため、引き続き文部科学省も実地体制の構築に関与することとする」
第3回共通到達度確認試験試行試験の基本的枠組みについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月11日
「試験科目の拡大に対応するため、中核となる大学として、東京大学、京都大学、一橋大学に加えて、国立大学を1大学追加する方向で検討する」
第3回共通到達度確認試験試行試験の基本的枠組みについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月11日
「科目主任を含む問題作成者については、大学間のバランスに配慮して、推進ワーキング・グループにおいて選定を行う」
第3回共通到達度確認試験試行試験の基本的枠組みについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housa/koutou/063/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364816_01.pdf…
 
12月11日
平成28年司法試験考査委員名簿(平成27年11月27日現在)
http://www.moj.go.jp/content/00116569.pdf…
 
12月11日
司法出題趣旨民法設問2(2)。出題趣旨は、占有開始原因が不法行為かという点も、検討を要するとしています。出題趣旨は明示しませんが、具体的には、Gの故意過失の有無及び故意過失を欠く場合に、寄託者Fの不法行為をもって受寄者Gの占有を不法行為と同視できるかが問題になるでしょう。
 
12月11日
「Fが…Gに寄託した行為はEに対する不法行為に該当する…Gが丸太④を預かった行為もEに対する不法行為に該当し,(iv)の要件が充足されないことになるか…【事実】9の事情を適切に評価して,Gの不法行為の成否を判断することが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月11日
ただ、問題文に「事情を伏せて」とあるのでGの不法行為は考えない趣旨と読めますし、多くの人が牽連性を丁寧に検討して留置権を否定するでしょうから、この点は書かないのが普通です。出題趣旨でも、牽連性を検討して留置権を否定する場合には、この点は検討を要しないとされています。
 
12月11日
「(i)や(ii)の要件について必要十分な検討を経てその充足が否定される場合には,民事留置権の成立を否定する結論を出すために,他の要件について検討する必要はない…他の要件について検討していないことを理由に不利に扱われることはない」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月11日
平成27年司法試験採点実感等に関する意見
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushken/jinji08_00125.html…
 
2015年12月12日(土)5 tweets
 
12月12日
『2015年12月11日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43104924.html…
 
12月12日
司法出題趣旨民法設問3。出題趣旨は、監督義務者の責任と被害者側の過失については確立した判例があるのだから、それを書け、と言っています。「踏まえて」は、「答案に明示せよ」という意味の出題趣旨用語です。何となく「判例っぽい言い回し」をすれば良いというわけではありません。
 
12月12日
「責任能力がある未成年者の不法行為についての監督義務者の責任と被害者側の過失についてはいずれも確立した判例があることから,それを踏まえて検討することが期待されている」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月12日
参考答案は、判例の規範をそのまま端的に示し、問題文の事実を丁寧に引いて当てはめるスタイルです。理由付けと規範がごちゃごちゃになったり、事実を丁寧に摘示する余裕を失うくらいなら、理由付けは書かない方がよいと思います。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
12月12日
旧試験時代には、判例であることを明示せず、いかにも自分の考えのように「論証」するのが一般的でした。しかし、現在ではそれは、単に判例であることを理解していないか、判例の理解が不十分であると評価されてしまいます。これも、旧試験時代の論証の欠点の1つです。
 
2015年12月13日(日)6 tweets
 
12月13日
『2015年12月12日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43109249.html…
 
12月13日
司法出題趣旨民法設問3(1)。出題趣旨は、わざわざ判例の規範を明示し、それに依拠して当てはめればよかったのだということを示しています。「適切な理由付け」が要求されるのは、判例以外の見解に立った場合だけです。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月13日
「判例は,未成年者の責任能力が肯定される場合でも,監督義務者に監督義務違反としての故意又は過失が認められ,それと結果との間に相当因果関係があれば,監督義務者自身の不法行為として,民法第709条の責任を負うことを認めている」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月13日
「これによると,Cについて監督義務違反が認められるか否か,認められるとした場合,その監督義務違反とLの権利侵害との間に相当因果関係が認められるか否かについて,本問に示された事実関係に即して,的確に検討することが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月13日
「もっとも,このように判例に依拠して検討することが唯一の解答ではなく,適切な理由付けによってこれと異なる論じ方をすることも排除されていない」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月13日
参考答案は、理由付けもせず、出題趣旨の示す判例の規範を挙げて当てはめています。旧試験時代の論証に慣れていると、違和感を感じるかもしれませんが、これでいいのです。旧試験の感覚を引きずった解答例などに惑わされないことが大事です。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
2015年12月14日(月)6 tweets
 
12月14日
『2015年12月13日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43113779.html…
 
12月14日
司法出題趣旨民法設問3(2)。小問(1)と同様に、わざわざ判例の規範を挙げ、判例に依拠するならその要件を論じればよかった旨が示されています。判例以外の説に立つ場合に初めて、「適切な理由付け」が要求されるわけですね。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月14日
「判例は,被害者自身の過失でなくても,被害者と身分上・生活関係上の一体性が認められる者に過失があった場合については,その者の過失を過失相殺の対象として考慮することを認めている」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月14日
「判例に即して論じる場合には,以上の点を的確に示し,本問に示された事実関係に即して,その要件が満たされている否かを的確に検討することが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月14日
「もっとも,判例による被害者側の過失法理に依拠して検討することが唯一の解答ではない…判例と異なる構成を採る場合であっても,適切な理由付けが行われ,その要件等が的確に検討されていれば,それに相応した評価がされる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月14日
適切な理由付けをして的確に当てはめれば、「相応した評価」がされるとあります。理由付けをして他説で書くとブチ跳ねるのか、と思いがちですが、再現等を見る限りそうでもありません。無難に点を取るなら、参考答案の書き方がはるかに簡単です。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41957734.html…
 
2015年12月15日(火)4 tweets
 
12月15日
『2015年12月14日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43118341.html…
 
12月15日
司法出題趣旨商法設問1。誰もが競業避止義務を書くのですが、差が付くのは、丁寧に事実を拾って書けるかどうかです。雑に書けば、結論が妥当でも大きく評価を落とします。出題趣旨にも、「事案に即して丁寧に」と書いてありますね。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月15日
「設問1では…甲社の取締役Bが…乙社の事業に関連して行った競業行為に関し,競業避止義務違反(会社法第356条第1項第1号,第365条第1項)が成立するかどうかについて,事案に即して丁寧に論ずることが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月15日
それに加えて大事なことは、各要件の意義(規範)を正確に示すことです。「『○○』とは…をいう。本件では…」のスタイルで書く癖を付けましょう。そのためには、各要件の意義(規範)は正確に覚えていなければなりません。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41974665.html…
 
2015年12月16日(水)5 tweets
 
12月16日
『2015年12月15日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43122806.html…
 
12月16日
司法出題趣旨商法設問1。「自己又は第三者のために…取引をしようとするとき」を当てはめる際に、多くの人が「おや?」と思ったはずです。Bが顧問に就任して陣頭指揮を執ったとは書いてありますが、誰名義で取引をしたのか、Bが代表権又は個別の代理権を有していたか等が全く書いていないからです。
 
12月16日
このような場合にやってはいけないのは、勝手に自分の都合のいいように認定してしまうことです。「本件では乙は代表取締役として取引したと考えられる」などと書いてしまえば、評価を落としたでしょう。出題趣旨は、取引が乙社名義で、Bが代表取締役ではないことを前提としているからです。
 
12月16日
「「自己又は第三者のために・・・取引をしようとするとき」については…個々の取引は乙社名義で行われ,Bは乙社の代表取締役ではないことを踏まえながら…事実上の主宰者性…に着目すべきである」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月16日
論点として事実上の主宰者論を知っていれば、これを書かせたいのだな、とすぐに分かります。しかし、知らないと、単に問題文が不親切なだけで、実は「顧問≒代表取締役なのではないか?」という迷いが生じる。この辺りは、純粋な問題文の読み方というよりは、知識が影響しているといえるでしょう。
 
2015年12月17日(木)8 tweets
 
12月17日
『2015年12月16日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43127691.html…
 
12月17日
「適性試験管理委員会から、適性試験の実施状況や、適性試験スコアと法科大学院の成績・司法試験合否に一定の相関性がある旨の報告がなされた」
法科大学院全国統一適性試験の在り方に関する検討ワーキング・グループにおける審議状況
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364846.htm…
 
12月17日
「各法科大学院に対する調査では、適性試験は、未修者入試における有用性については肯定的・否定的双方の回答があった一方、既修者入試については否定的な回答が大半を占めた」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364846.htm…
 
12月17日
「適性試験以外の選抜方法により受験者の適性を判定する手段として、未修者については小論文や面接等による選抜、既修者においては法律科目試験や学部成績が有効であるとの回答が多数を占めた」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364846.htm…
 
12月17日
司法出題趣旨商法設問1。出題趣旨には事実上の主宰者性を基礎付ける具体的な事実が挙がっています。これを問題文から答案に引用して示すことができたか。これが決定的に評価に影響します。事実上の主宰者論自体の肯否は、全く書く必要はありません。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月17日
「乙社の発行済株式の90%を取得し保有していること…連日,乙社の洋菓子事業の陣頭指揮を執っていたこと…乙社の顧問として,毎月100万円の顧問料の支払を受け,洋菓子工場の工場長Eの引き抜きやQ商標の取得に関与したことなどの事情(事実上の主宰者性)に着目すべきである」
 
12月17日
これらの事実を答案上に示すことなく、いきなり「本件では、Bは代表取締役に準じた役割を果たしていたと評価できるから事実上の主宰者といえる」などと書く人がいます。基礎となる事実は考査委員がわかってくれるから省いて構わないと思っているようです。しかし、それは大きく評価を落とします。
 
12月17日
出題趣旨にわざわざ具体的事実が摘示されているのですから、そこに配点がある。しかし、受かりにくい人は、評価こそ大事だと考えて、事実の摘示を省略してしまう。これでは、どんなに知識を増やしても受かりません。「論文に受かりにくい人は、何度受けても受からない」法則です。
 
2015年12月18日(金)10 tweets
 
12月18日
『2015年12月17日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43132431.html…
 
12月18日
「適性試験で測ることとされている「法科大学院の履修の前提として要求される資質」とはどのような能力であるか、改めて確認する必要がある」
法科大学院全国統一適性試験の在り方に関する検討ワーキング・グループにおける審議状況
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364846.htm…
 
12月18日
「志願者の大幅な減少など、法科大学院を取り巻く状況が、制度創設時とは大きく異なっている状況を踏まえた審議が必要である」
「適性試験運営にかかるコストや、統一性に対する考え方を考慮しながら、法学未修者に対象者を限定することの是非を検討する必要がある」
 
12月18日
「総受験者の下位15%とされている入学最低基準点の設定について、その根拠を振り返るとともに、現在の受験者数も考慮に入れた上で、基準点の見直しも含め、妥当性を検討する必要がある」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364846.htm…
 
12月18日
「法科大学院発足当時よりも進級判定が厳格化してきており、入学後の学修状況も含めて適性を判定することも考えられるのではないか」
「適性試験の実施回数の増加、地方における受験機会の確保、試験結果の複数年利用等、試験の運営改善についての可能性も検証する必要がある」
 
12月18日
司法出題趣旨商法設問1。「事業の部類に属する取引」該当性についても、商品及び市場の競合に着目すること、既に準備に着手したものを含むこと自体を抽象的に論じるのではなく、具体的な事実を摘示することが求められています。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月18日
「甲社と乙社の市場は,設問1の時点では,地理的に競合しているとはいえない。そこで,甲社が乙社の市場(関西地方)への進出を具体的に企図していた場合に…「事業の部類に属する取引」…に該当するかどうかについても論ずるべき」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月18日
「乙社が,甲社と同様に,洋菓子の製造販売業を営み,著名な商標を付したチョコレートをデパートに販売していることのほか,甲社は,既にマーケティング調査会社に関西地方の市場調査を委託し,委託料500万円を支払済みであることを具体的に指摘する必要がある」
 
12月18日
参考答案は、「事業の部類に属する取引」の規範は当然の前提として示し、問題文から具体的な事実を引用することに徹しています。そうでなければ、とても書き切れませんし、抽象論は省いた方が、むしろ出題趣旨に合致した答案になるのです。
http://studyweb5.seesaa.net/article/41974665.html…
 
12月18日
旧試験仕様の論証・解答例では、ここは競業避止義務の趣旨に遡って規範を導出することに紙幅を割くでしょう。しかし、今の司法試験では、そんなことより、問題文の事実を答案上に明示することにこそ紙幅を割くべきです。信じられないような配点が、単なる事実の摘示にある。それが、今の司法試験です。
 
2015年12月19日(土)6 tweets
 
12月19日
『2015年12月18日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43137206.html…
 
12月19日
司法出題趣旨商法設問1。Bが、ACに株式取得と事業への参加を伝え、ACが異議を述べなかったことをもって、競業取引に係る取締役会の承認と評価できるかが論点とされています。これは典型論点ではありませんが、いかにも敢えて書いてある、という感じなので、気付いた人も多かったでしょう。
 
12月19日
「Bが,A及びCに対し,「乙社の発行済株式の90%を取得するので,今後は乙社の事業にも携わる。」と述べたところ,A及びCは特段の異議を述べなかったという事実関係の下で,このような手続的要件が満たされるかどうかを論じなければならない」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月19日
取締役全員が業務について協議決定をしたときは、明示の招集手続省略の同意がなくても、取締役会の承認と考えてよい、とする判例もあります。しかし、本問では、決定があったと評価し難いだけでなく、重要な事実の開示もなされていませんから、手続的要件を満たさないと考えるべきでしょう。
 
12月19日
「原審は…取締役三名の全員同意の上、協議して為された事実を確定し、適法に取締役会の承認を得たものと判示したのであつて、右の判断は正当である…商法二五九条ノ二の手続を省略する旨の明示の同意を必要とするものと解すべき根拠はない」
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/etail2?id=57526…
 
12月19日
実戦的には、ここは落としてもさほど影響はないところでしょう。また、書くとしても、簡単に事実を引用して否定すれば足りると思います。紹介した判例に触れた人は皆無でしょうから、気にする必要もありません。むしろ、あまり書き過ぎて、他の重要論点が雑にならないことの方に気を付けるべきです。
 
2015年12月20日(日)8 tweets
 
12月20日
『2015年12月19日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43141454.html…
 
12月20日
「累積合格率7割の達成を前提に、1500人の合格者輩出のために必要な定員を試算すると、以下のとおりとなる」
法曹人口の在り方に基づく法科大学院の定員規模について(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364853.htm…
 
12月20日
「法科大学院…の累積修了率は85%であること。
予備試験合格資格による司法試験合格者は、平成26年は163名であるが、うち103名は法科大学院に在籍したことがあると推測されること。
上記2点を考慮した計算式:(1500-163)÷0.7÷0.85+103≒2350」
 
12月20日
「さらに、法科大学院を修了しても司法試験を受験しない者がこれまでの累積で6%存在すること。
上記3点を考慮した計算式:(1500-163)÷0.7÷0.85÷0.94+103≒2493」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364853.htm…
 
12月20日
司法出題趣旨商法設問1。出題趣旨は、競業避止義務違反を認定した場合の423条2項の損害推定につき、「自己又は第三者のために」の当てはめとの論理的整合性を意識せよと言っています。これは、主に計算説に立った場合の注意点です。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月20日
「推定される損害の額は幾らなのか,すなわち,第三者である乙社の得た利益の額とみるべきか,又は取締役Bが得た利益の額とみるべきかについて,「自己又は第三者のために…取引をしようとするとき」という要件の当てはめとの論理的な整合性も意識しつつ,論ずることが求められる」
 
12月20日
計算説に立った場合、当てはめで、「取引の利益はBに帰属するから」というような論述をしているはずです。それなのに、423条2項の当てはめでは「取引の利益は乙社に帰属するといえる」などとすれば、論理矛盾です。場当たり的に当てはめをしていると、このような論理矛盾を犯しがちです。
 
12月20日
司法試験では、学説等の理論体系上の論理性ではなく、このような事例処理における論理性が問われます。後から指摘されれば、誰もがすぐに気付くようなレベルのものです。現在の司法試験では、特に会社法で問われる傾向にありますので、意識しておく必要があるでしょう。
 
2015年12月21日(月)11 tweets
 
12月21日
『2015年12月20日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43145756.html…
 
12月21日
「ただし、1500人を前提に定員規模を設定することは、より多くの質の高い法曹の輩出を目指す推進会議決定の趣旨に必ずしも合致しない。また、過度な定員削減は教員数の減少による教育力低下を招く可能性があること等にも留意が必要である」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364853.htm…
 
12月21日
「一方で、実際の入学者数についても考慮することが必要であり、以上を踏まえると、目指すべき定員規模としては、当面2500人程度とし、併せて、適切な入学試験競争倍率の維持や教育の質向上のための取組によって累積合格率の向上を図るとともに、法科大学院志願者増を図ることとすべきである」
 
12月21日
「更に、推進会議決定の趣旨に鑑み、社会の法的需要に適合するよう、今後とも、適切に定員規模の設定を行っていくことが必要である」
法曹人口の在り方に基づく法科大学院の定員規模について(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364853.htm…
 
12月21日
司法出題趣旨商法設問1。競業避止義務違反による甲社の損害をどうみるかは、応用論点です。ここは多少間違えても、気にすることはないでしょう。出題趣旨も「などが考えられ」という書き方をしていて、色々な考え方があり得ることを示唆しています。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月21日
乙社の利益については、時系列を把握する必要があります。Bが顧問に就任して陣頭指揮を始めたのが平成22年3月以降です。そうすると、その影響は、平成21事業年度(平成21年4月から平成22年3月まで)には及んでいない。ですから、翌事業年度に増加した部分が競業による利益となるわけです。
 
12月21日
「具体的な損害の額に関しては,乙社が得た利益としては,平成22事業年度における営業利益の増額分800万円を…挙げることなどが考えられ,これらと本件競業取引との間の相当因果関係について検討する必要がある」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月21日
Bの利益は、難解です。出題趣旨は、乙社の利益の90%がBの利益になるという考え方を示していますが、これでは乙社の利益と二重評価になります。また、Bの報酬も示していますが、全額というのはおかしいでしょう。競業をしなくても、Bは一定の報酬を得ると考えられるからです。
 
12月21日
「具体的な損害の額に関しては…Bが得た利益としては,上記800万円にBの持株比率である90%を乗じた額(720万円)ないしBが乙社から受領した顧問料(100万円に月数を乗じた額)を挙げることなどが考えられ,これらと本件競業取引との間の相当因果関係について検討する必要がある」
 
12月21日
当サイトでは、今年の6月の時点で、赤字の場合に報酬5割を認定した名古屋高判20・4・17(高木製綿事件)を紹介し、本問の場合に妥当するか疑問である旨をツイートしました。しかし、出題趣旨では、その点については全く触れられていません。
https://twitter.com/studyweb5/stats/615152637323837440…
 
12月21日
おそらく、考えられる複数の筋のうち、いずれかについて自分なりに検討できていれば、十分評価されたのでしょう。なお、名古屋高判20・4・17(高木製綿事件)については、当サイト作成の定義趣旨論証集(会社法)で論証化されています。
http://www.amazon.co.jp/dp/B015ZS7KP4
 
2015年12月22日(火)3 tweets
 
12月22日
『2015年12月21日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43150525.html…
 
12月22日
「司法試験に概ね7割以上合格できるよう充実した教育を目指すインセンティブとなるよう、「累積合格率が全国平均以上」という現行基準に加え、それを超える累積合格率を達成した場合に一定の加点を行うことが適切である」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364854.htm…
 
12月22日
「法学未修者数が減少した結果、単年度の合格率の変動幅が大きくなっているという現状を踏まえ、「直近の合格率」ではなく、過去数年の実績を適切に評価することが適切である」
「法科大学院公的支援見直し加算プログラム」の見直しについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364854.htm…
 
2015年12月23日(水)9 tweets
 
12月23日
『2015年12月22日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43155049.html…
 
12月23日
「各法科大学院に入学者の質の保障を促すため、競争倍率を指標に導入することが適切である。その際、単に2倍を下回ったか否かのみではなく、より段階的な評価とすることが適切である」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364854.htm…
 
12月23日
「また、競争倍率と入学定員充足率は相反関係にあるが、競争倍率は入学者の質に直結しうることに鑑み、両者のウエイト付けにあたっては注意が必要である」
「法科大学院公的支援見直し加算プログラム」の見直しについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364854.htm…
 
12月23日
「競争倍率を指標として導入する場合、相反関係にある入学定員充足率の指標については、一定程度緩和することが適切である」
「法科大学院公的支援見直し加算プログラム」の見直しについて(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/hukyo/chukyo4/012/siryo/attach/1364854.htm…
 
12月23日
「認証評価通知において、入学者数が10名を下回っている場合には、「教育組織として規模が小さくなりすぎているなど、法科大学院としてふさわしい教育環境の確保への影響が懸念される」とされていることも踏まえ、複数年にわたり連続して10名を下回るような場合は、扱いを異にすることが適切」
 
12月23日
司法出題趣旨商法設問1。Eの引き抜きが忠実義務違反との関係で問題となることは、知識として知っていた人が多かったと思います。これを競業取引の1つと認定してしまうと、やや評価を下げたでしょう。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月23日
「工場長Eの引き抜きについては,引き抜き行為自体を「競業取引」と評価することは困難であるが,会社法第355条所定の忠実義務違反を原因とする同法第423条第1項に基づく損害賠償請求の可否が検討されるべきである」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月23日
出題趣旨は、引き抜きが忠実義務違反となるための規範を示すことなく、事実を列挙して任務懈怠が認められるとしています。典型論点とまではいいにくいところなので、出題趣旨と同じ考え方でなくても、自分なりの規範を示した上で、それに当てはまる事実を摘示して結論を出せば足りたでしょう。
 
12月23日
「Eが…重要な地位にあったこと,Eの突然の退職により甲社の洋菓子工場は操業停止を余儀なくされ,3日間受注ができず,1日当たり100万円相当の売上げを失ったこと,Bは甲社の洋菓子事業部門の業務執行担当取締役…にあったことなどを踏まえると,Bには任務懈怠が認められるであろう」
 
2015年12月24日(木)10 tweets
 
12月24日
『2015年12月23日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43159551.html…
 
12月24日
記者「司法試験の関連で,法務省の司法試験委員会が,全国の法科大学院から定期試験の情報などを収集していますが,これについて,大学院側からは,大学の情報を公的機関に出すことについて,若干の懸念の声が上がっています。この目的やそういった懸念があることについての御見解をお願いします」
 
12月24日
岩城光英法相「司法試験委員会においては,適切な司法試験の実施に役立てるなどの見地から,本年11月2日,各法科大学院に対し,定期試験問題の提供を依頼したものです」
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hsho08_00728.html…
 
12月24日
岩城光英法相「司法試験法第1条第3項において,法科大学院教育と司法試験の連携が求められている中,その要請を踏まえ,適切な出題を行うことを目的として実施したものであり,各法科大学院における教育への干渉を行う趣旨は全く含まれていない」
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hsho08_00728.html…
 
12月24日
司法出題趣旨商法設問2。第1取引と第2取引を、別々の重要な財産の処分とみるか、全体として事業の重要な一部の譲渡がされたとみるかが論点であったことが示されています。出題趣旨は、どちらの考え方もあり得るという立場のようです。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月24日
「洋菓子工場に係る不動産とP商標に係る商標権とにつき,各別の売買契約が締結され,それぞれ各別に債務が履行されたという形式を重視すれば,二つの「重要な財産の処分」(会社法第362条第4項第1号)がされたものと評価することとなる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月24日
「洋菓子事業部門の全体を…売却する旨の交渉…時間的近接性…従業員の全員が引き続き丙社に雇用…取引先…が丙社に引き継がれたこと…株主総会の特別決議を潜脱する意図…などの事情を重視すれば,実質的に全体として「事業の重要な一部の譲渡」…がされたものと評価することとなる」
 
12月24日
形式的にみて2つの重要な財産の処分があったとする場合には、取締役会決議があるので問題がない、ということで終わってしまいます。出題趣旨は、それも1つの筋としてあり得ると考えているようですが、その場合には、判例の規範を示して当てはめることが必要だったのでしょう。
 
12月24日
「仮に,本件について事業譲渡に該当しないとした場合には…第1取引及び第2取引のいずれも「重要な財産の処分」に該当する…いずれについても取締役会の決議を経ているので,会社法上の手続的要件は満たされていることとなる」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月24日
「重要性の判断基準について,判例…は,当該財産の価額,その会社の総資産に占める割合,当該財産の保有目的,処分行為の態様及び会社における従来の取扱い等の事情を総合的に考慮して判断すべきものと判示しているところ,本件でも,事案に即して論ずる必要がある」
 
2015年12月25日(金)6 tweets
 
12月25日
『2015年12月24日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43163839.html…
 
12月25日
司法出題趣旨商法設問2。事業譲渡該当性における判例の3要件(①有機性、②事業活動承継性、③競業避止義務)のうち、②と③、特に③の要否が問題となることが示されています。
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月25日
「①の要件が不可欠であることにほぼ争いはないが,②及び③の要件が不可欠であるかどうかについては解釈上の争いがある…特に,本件では,当事者間の特約により,競業避止義務が明示的に排除されていることに留意すべきである」
http://www.moj.go.jp/content/00116146.pdf…
 
12月25日
このような出題趣旨をみると、②、③要件の要否という解釈論を書かないと受からない、と考えがちです。しかし、それよりも、判例の3要件を正確に示した上で、事実をきちんと引いて当てはめることの方が大事であるというのが、当サイトの立場です。
http://studyweb5.seesaa.net/article/42163506.html…
 
12月25日
注意したいのは、「③は必須の要件ではないので、①と②だけ挙げて当てはめました」という人は、単純に判例を知らない、と評価されてしまうということです。「判例は①②③を必要とする。しかし…から③は要件と考えるべきではない」と明確に書いて初めて評価されるのです。
 
12月25日
判例の規範である①②③を挙げ、これを事実を引いて当てはめられること。これが最低限の合格レベルです。いきなり③を落として書いたり、③を不要とする論証をするあまり、時間不足で事実を摘示できなくなれば、かえって不良に落ちる。まずは、素直に判例で書けるようにすることが大事です。
 
2015年12月26日(土)5 tweets
 
12月26日
『2015年12月25日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43168126.html…
 
12月26日
司法出題趣旨商法設問2。事業譲渡該当性の要件につき、事業譲渡に株主総会特別決議が必要とされた趣旨に遡って検討すべきである旨が示されています。単に、「競業避止義務は効果であって要件ではない」などと論じたのでは不十分だということです。
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月26日
「①の要件が不可欠であることにほぼ争いはないが,②及び③の要件が不可欠であるかどうかについては解釈上の争いがあるところ,事業譲渡に株主総会の特別決議が要求される趣旨を踏まえ…論ずることが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月26日
この点については、今年の7月に、当サイトで同趣旨のツイートをしています。
http://studyweb5.seesaa.net/article/42169224.html…
 
12月26日
ですから、この要件論の部分できちんと点が取れている人は、実際には意外と少ない。むしろ、当てはめで具体的事実を答案に摘示できているかどうか。そちらの方で差が付きます。受かりにくい人は、抽象論を厚く書いて事実の引用を省くクセのある人が多いので、気を付けるべきでしょう。
 
2015年12月27日(日)14 tweets
 
12月27日
『2015年12月26日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43172654.html…
 
12月27日
「法務省及び文部科学省は…両省が行うべき取組並びに関係機関・団体に期待される取組の進捗状況等を適時に把握するとともに…必要な連絡協議を行うための体制を下記のとおり定める」
法曹養成制度改革のための連絡協議体制について
http://www.moj.go.jp/content/00116552.pdf…
 
12月27日
「法務省大臣官房司法法制部及び文部科学省高等教育局は,両部局からなる法曹養成制度改革連携チーム…を構成し,前記推進会議決定における両省が行うべき取組を進めるため,政府内における必要な連携を図ることとする」
http://www.moj.go.jp/content/00116552.pdf…
 
12月27日
「法務省及び文部科学省は,前記の目的を達成するため,最高裁判所及び日本弁護士連合会の参集を得て,法曹養成制度改革連絡協議会…を開催する」
法曹養成制度改革のための連絡協議体制について
http://www.moj.go.jp/content/00116552.pdf…
 
12月27日
平成28年度法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム審査結果 (PDF:3967KB)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/enmonshoku/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/12/25/1365623_01.pdf…
 
12月27日
司法出題趣旨商法設問2。事業譲渡とした場合について、467条1項2号括弧書き(出題趣旨は「形式基準」と称しています)とは別に、「重要な」一部に当たるかが論点になるとしています。これについては、疑問のあるところです。
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月27日
「事業譲渡に該当するとした場合には,更に,事業の「重要な」一部の譲渡に当たるかについても,論ずる必要がある。その際には,重要性の判断基準を示した上で,質的・量的な側面から問題文の事実を具体的に当てはめる」
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月27日
「貸借対照表等の資料を分析して,株主総会の特別決議を要しないこととなる形式基準(会社法第467条第1項第2号括弧書き,同法施行規則第134条第1項)を満たすかどうかについても,検討することが求められる」
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月27日
旧商法245条1項1号の「重要ナル」については、量的基準(概ね10%を超えるか)又は質的基準(既存の事業継続に支障が生じるか)のいずれか一方を充たせば、「重要ナル」に当たる、と考えられていました。当時は、会社法467条1項2号の括弧書き部分がなかったからです。
 
12月27日
ですから、当時の解釈によれば、10%未満の規模のものでも、既存の事業継続に支障が生じる場合には質的観点から「重要ナル」に当たる。逆に、10%を超えるようなら、質的観点を考慮するまでもなく、それだけで「重要ナル」に当たる、という理解だったわけです。
 
12月27日
会社法においては、467条1項2号括弧書きで、20%、それも総資産額ベースという従来よりかなり広い量的基準が明示された一方、これを満たさない場合には、質的基準を考慮する余地なく特別決議の対象から除外されることとされました。このことは、同号の文理上明らかです。
 
12月27日
10%を超えれば質的基準を考慮することなく「重要ナル」に当たるという従来の解釈からすれば、467条1項2号括弧書きの20%超を充たすときは、質的基準を考慮するまでもなく「重要な」に当たることになります。したがって、現在では「重要な」という文言は、さほど限定的意味を持たないのです。
 
12月27日
「重要な」が限定的意味を持つのは、467条1項2号括弧書き内部の括弧書きにおける定款の定めによって、2%などの非常に小さな割合が定められた場合です。この場合は、2%超10%未満なら、質的基準を考慮することになるでしょう。これが、現在の会社法における「重要な」の存在意義です。
 
12月27日
本問では、そのような定款の定めはありませんから、467条1項2号括弧書きの20%超を当てはめれば、ほぼ自動的に「重要な」の要件も充足することになる。ですから、「重要な」の判断基準を挙げて詳細に論じる意味は乏しいのです。出題趣旨が「重要な」の要件を重視するのは、不適切だと思います。
 
2015年12月28日(月)11 tweets
 
12月28日
『2015年12月27日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43177288.html…
 
12月28日
記者「昨日,法曹養成制度改革に当たって,法務省と文部科学省が連携をしていくための「法曹養成制度改革連絡協議会」の初会合がありました…今後,法曹養成制度の改革をどのような方向で進めていくのか,具体的な検討課題や今後のスケジュールの見通しなども含めて,御見解をお願いします」
 
12月28日
岩城法相「法曹養成制度改革推進会議決定において…平成30年度までの集中改革期間において,文部科学省において,各法科大学院修了者のうちの相当程度が司法試験に合格できるよう,法科大学院の組織見直しや教育の質の向上を図るとされています」
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hsho08_00729.html…
 
12月28日
岩城法相「法務省において…予備試験の本来の趣旨に沿った者の受験を制約することなく,かつ,予備試験が法曹養成制度の理念を阻害することがないよう,予備試験に関する必要な制度的措置を講ずることを検討するなどとされています」
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hsho08_00729.html…
 
12月28日
岩城法相「法務省としては,文部科学省と連携し,この度開催した法曹養成制度改革連絡協議会等を通じて他の関係機関・団体の協力も得ながら,推進会議決定に掲げられた各取組を着実に進めてまいりたいと考えています」
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hsho08_00729.html…
 
12月28日
司法出題趣旨商法設問3。最判平24・4・24で問題にされた論点がそのまま出題趣旨に挙がっています。このように、司法試験では、最新判例を知っていたかどうかで決まってしまうことがあります。最新判例は、直近5年くらいは注意して確認しておく必要があるでしょう。
 
12月28日
「新株予約権の行使条件(上場条件)の決定を取締役会に委任することの可否…当該行使条件を取締役会の決議により廃止することの可否…瑕疵のある手続により発行され…又は行使条件に反した新株予約権の行使により発行された株式の効力について,論理的に整合した論述をすることが求められる」
 
12月28日
「論理的に整合した論述」とは、各論点間の結論と問題設定の整合性を指します。出題趣旨が「…とした場合には…を論ずべきである」という対応関係で記述されていることに注意して下さい。このように、現在の司法試験では、主に商法で論理性が問われる傾向にあります。
 
12月28日
「仮に,新株予約権の行使条件の決定を取締役会に委任することが可能であるとした場合でも,取締役会において当該行使条件の廃止を決議することができるかどうかについては,株主総会による委任の趣旨を検討しつつ,論ずる必要がある」
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月28日
「新株予約権の発行手続に瑕疵があるとした場合には,そのような発行手続の法令違反が新株予約権の発行の無効原因となるか…そのような新株予約権の行使により発行された株式が無効となるかについて,検討する必要がある」
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月28日
「これに対し,新株予約権の発行は適法であるが,上場条件の廃止が無効であるとした場合には…上場条件に反した新株予約権の行使による株式の発行については…重大な瑕疵があるものとして,当該株式が無効となるのではないかという点について,検討する必要がある」
 
2015年12月29日(火)7 tweets
 
12月29日
『2015年12月28日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43181697.html…
 
12月29日
司法出題趣旨商法設問3。非公開会社における新株予約権の行使条件の取締役会への委任の可否については、最判平24・4・24は旧商法下で新株予約権が発行された事案であることから、その判旨がそのまま妥当しない点に注意を要します。
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月29日
「新株予約権の行使条件は「募集新株予約権の内容」に含まれ,その決定を取締役会に委任することができないという考え方と,取締役会への委任を許容する考え方とがあるが,いずれの考え方によるかを明らかにしつつ,新株予約権の発行手続における瑕疵の有無を論ずることが求められる」
 
12月29日
「旧商法の下における判例(最高裁平成24年4月24日第三小法廷判決・民集66巻6号2908頁参照)を参考にしながら,会社法上の公開会社でない会社における新株予約権の発行等について,会社法の条文及び制度趣旨を踏まえた検討が望まれる」
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月29日
委任を肯定する場合には、236条1項各号に行使条件が含まれていない旨を指摘することになるでしょう。他方、同号は必要的事項を定めたに過ぎないから、行使条件を定めるときは、それが募集新株予約権の内容に含まれるとするのが立案担当者及び寺田補足意見の立場です。
 
12月29日
「旧商法当時は…行使条件を…委任することができるとする解釈が広くとられていたが,会社法の下では,新株予約権の行使条件のうち少なくともその実質的内容に当たるものは取締役会に委任することができないものとされた」
寺田補足意見
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/etail2?id=82215…
 
12月29日
もっとも、この点をきちんと書けた人はほとんどいないでしょう。結果的に、優秀・良好の領域に属する論点だったのだと思います。ですから、書けなかったとしても、合否には直結しない。むしろ、最後の株式発行の無効の方は多くの人が書けるでしょうから、しっかり書く必要があります。
 
2015年12月30日(水)7 tweets
 
12月30日
『2015年12月29日のtweet』司法試験・法科大学院(ロースクール)情報|http://studyweb5.seesaa.net/article/43185963.html…
 
12月30日
司法出題趣旨民訴設問1。出題趣旨を読んだ方は驚いたかもしれませんが、問題文をオウム返しにしただけで、実質的なことは何も書いてありません。「より具体的にいうと」と書いてあるのに、具体的なことは何1つ書いていないのです。
http://www.moj.go.jp/content/00116641.pdf…
 
12月30日
出題趣旨
「より具体的にいうと,第一に…平成3年判決は…142条の趣旨を類推する主な根拠を…既判力の矛盾抵触のおそれがあることに求めているところ,平成18年判決のように考えるとなぜそのおそれが生じないこととなるのかについて説明することが求められている」
 
12月30日
出題趣旨
「第二に,平成3年判決は,相殺の担保的機能という利益と反対債権について債務名義を取得するという利益とを二重に享受することは許さないとする趣旨と解されるが,平成18年判決の考え方ではなぜ二重の利益を享受する結果にならないのかについて,説明することが求められている」
 
12月30日
試験問題
「L1:第一に,なぜ既判力の矛盾抵触が生じないことになるのか,第二に,反訴原告は,相殺による簡易,迅速かつ確実な債権回収への期待と,相殺に供した自働債権について債務名義を得るという2つの利益を享受することにはならないのはなぜか,を論じてください」
 
12月30日
さらに驚くのは、試験問題では、「第一に…第二に…第三に…」と第三の論点が提示されているにもかかわらず、出題趣旨では、「第一に…第二に…」で終わっており、第三の論点について全く記載がないのです。設問1については、出題趣旨は白紙同然、又はそれ以下のものであると言わざるを得ません。
 
12月30日
試験問題
「第三に…予備的反訴として扱われることが処分権主義に反しない理由はどのように説明したらよいか…予備的反訴とされると反訴請求について本案判決を得られなくなる可能性がありますが,それでも反訴被告(本訴原告)の利益を害することにならないのはなぜか,を論じてください」 

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