Amazonより、「司法試験平成27年出題趣旨の読み方(憲法)」を発売しました。
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【内容紹介】
本書は、平成27年司法試験論文式試験出題趣旨の憲法について、段落ごとに、ポイントとなる事項を説明したものです。
出題趣旨は、考査委員が公表する数少ない資料の1つです。その重要性は、多くの人が理解していることでしょう。ところが、その記述の意味内容を正確に読み解こうとしているか、具体的な解法のテクニックや普段の学習メニューに落とし込んでいるか、ということを考えると、実はほとんどできていない人の方が、多いのではないかと思います。多くの人が、ざっと目を通して、「まあ、当たり前のことが書いてあるよね」という感じで済ませてしまい、深く読み込もうとはしていないように思います。法科大学院や予備校等でも、断片的に出題趣旨の内容が引用されることはあっても、表面的な読み方にとどまっている場合が多いように感じます。
また、出題趣旨は、極力簡潔な記述で済ませようとしているため、受験生の方々が独力で読むと誤解が生じたり、意味内容を正確に理解することが困難な場合が多くあります。仮に指摘された意味を正確に理解しても、実戦的にそこまで書く必要があるのか、それを答案に書けるようになるためにはどうすればいいか。そのような所までは、出題趣旨は書いてくれていません。
そこで、本書では、出題趣旨の記述を表面的に読むと誤解が生じ易い部分や、記述の意味を理解するための注意点、指摘された問題意識に応えるための解法のテクニック、普段の学習における注意点などを、出題趣旨の各段落の記述ごとに分けて、詳細に説明しました。
第1段落では、人権選択の重要性、そのための過去問演習の必要性について説明しました。
第2段落では、形式的な設問の変更がどのような意味を持っているのかについて、被告の反論についての過去問の文言の変遷とその趣旨を追いながら、今後の対策等を含めて説明しました。
第3段落では、問題文の文言だけから直ちに人権選択が決まる場面と、そうでない場面について、その見分け方等を説明しました。
第4段落では、14条1項の基本的な検討手順と、そのうちで意外と配点がある部分はどこか、「憲法上の評価」とは何を意味するか等について説明しました。
第5段落では、「信条」に着目した区別でもあるという点を、どのように答案に反映させるべきかという点について説明しました。
第6段落では、Cとの同一取扱いの問題について、実戦的にはどのように処理すべきであったかについて説明しました。
第7段落では、思想良心の自由ではなく、表現の自由の問題とすべきであった理由、表現の自由の制約に関し、どのような論述が考えられるか、それが実戦的に難しいのであれば、それに代えてどのような書き方があったか等について説明しました。
第8段落では、現在の司法試験における審査基準の設定の仕方に関する基本的な考え方について説明しました。この点については、「採点実感等に関する意見の読み方」の方で、さらに詳細な説明をすることとしています。
本書が、出題趣旨を読み解く上で少しでも助けになれば幸いです。