「平成29年司法試験のための平成28年刑訴法改正の解説」
を発売しました

 Amazonより、「平成29年司法試験のための平成28年刑訴法改正の解説」を発売しました。
 本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

Kindlefor PC(Windows)
Kindle for PC(Mac)
Kindle for Android
Kindle for iPhone,iPad

【本書の概要】

1.本書は、平成28年5月24日に可決、成立し、同年6月3日に公布された刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成28年法律第54号。以下「改正法」といいます。)による刑事訴訟法等の改正のうち、平成29年の司法試験及び予備試験において影響のあることが確実なものについて、その内容を紹介するとともに、試験対策上の留意点を説明したものです。
 
2.司法試験及び予備試験は、いずれも、原則として試験時に施行されている法令に基づいて出題することとされています。
 
(参考資料)「司法試験の出題に係る法令について」(平成17年5月31日司法試験委員会決定。平成23年11月9日改正。)
 
1 司法試験は、試験時に施行されている法令に基づいて出題する。
2 例外的に、各科目別の考査委員において、1と異なる取扱いとすることを相当と認めるときは、司法試験委員会に対し、1と異なる取扱いとする旨を速やかに広報するよう求める。
 
 
(参考資料)「司法試験予備試験の出題に係る法令について」(平成22年11月10日司法試験委員会決定)
 
1 司法試験予備試験は、試験時に施行されている法令に基づいて出題する。
2 例外的に、各科目別の考査委員において、1と異なる取扱いとすることを相当と認めるときは、司法試験委員会に対し、1と異なる取扱いとする旨を速やかに広報するよう求める。
 
 
 改正法による刑訴法等の改正については、「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日が施行期日である。」という説明がされることがあり、平成29年の司法試験及び予備試験には全く影響がないと誤解している人もいるようです。
 しかし、実際には、改正法附則1条1号から3号までに規定された改正については、既に施行期日が到来しています(平成29年1月1日現在)。
 
(改正法附則1条)
 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する
一 附則第九条第三項の規定 公布の日
二 第一条(刑事訴訟法第九十条、第百五十一条及び第百六十一条の改正規定に限る。)、第三条、第五条及び第八条の規定並びに附則第三条及び第五条の規定 公布の日から起算して二十日を経過した日
三 第一条(前号に掲げる改正規定を除く。)及び第六条の規定並びに次条並びに附則第四条、第六条、第八条、第十条、第十一条(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成十六年法律第六十三号)第六十四条第一項の表第四十三条第四項、第六十九条、第七十六条第二項、第八十五条、第百八条第三項、第百二十五条第一項、第百六十三条第一項、第百六十九条、第二百七十八条の二第二項、第二百九十七条第二項、第三百十六条の十一の項及び第六十五条第四項の改正規定に限る。)及び第十二条から第十五条までの規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日
四 第二条(刑事訴訟法第三百一条の次に一条を加える改正規定を除く。)及び第四条の規定並びに附則第七条及び第十一条(前号に掲げる改正規定を除く。)の規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
 
 
(刑事訴訟法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(平成28年9月30日政令第316号))
 
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則第一条第三号に掲げる規定の施行期日は、平成二十八年十二月一日とする
 
 
 したがって、平成29年の司法試験又は予備試験を受験する場合には、既に施行されている改正事項について、一応は頭に入れておく必要があるのです。もっとも、一般の受験生にとっては、どの部分が既に施行されているのか、よくわからない、というのが普通だと思います。そこで、本書は、改正法による刑訴法等の改正のうち、平成29年の司法試験及び予備試験において影響のあることが確実なものに絞って、説明しました。
 
3.司法試験及び予備試験の試験対策において、改正対応の学習は、それほどメインのものではありません。本書では、できる限り簡潔な説明にとどめつつも、適宜、改正に係る議論を参考資料として紹介し、改正の経緯ないし立法事実が正しく理解できるように努めました。
 
4.現在の司法試験の短答式試験においては、刑事訴訟法は出題範囲に含まれていません。そのため、本書における短答式試験対策とは、専ら予備試験の短答式試験対策を意味します。
 他方、論文式試験対策としては、司法試験の刑事訴訟法分野(刑事系第2問)、予備試験の刑事訴訟法科目、予備試験の刑事実務基礎科目に影響があります。本書において、論文式試験対策というときは、司法試験の刑事訴訟法分野(刑事系第2問)、予備試験の刑事訴訟法科目、予備試験の刑事実務基礎科目に関するものを意味しています。
 また、予備試験の口述試験では、刑事実務基礎科目に影響があります。
 本書では、これらの点について、各改正事項ごとに、簡単に試験対策上の留意点を説明しました。
 
5.本書において摘示された条文番号は、特に記載のない限り、刑事訴訟法です。
 
6.本書が、改正法による刑訴法等の改正についての学習に少しでも役に立てば幸いです。

戻る