1.司法試験・予備試験の試験時間中、ハンカチ・ティッシュを使用できます。ただし、使用するには、あらかじめ机上に置いておく必要があります。試験中に急に必要になったからといって、その時に鞄の中から出したりすることはできないのです。
(「令和2年司法試験に関するQ&A」より引用。太字強調は筆者。)
Q58 試験時間中にハンカチ,ティッシュペーパーは使用できますか?
A ハンカチ,ティッシュペーパーを使用して差し支えありません。ただし,あらかじめ机上に置いておき,試験時間中にかばんの中から出したりしないでください。ポケットティッシュのケース(元々のビニール以外)は外してください。また,ボックスティッシュ等の大きなものは机上に置くことはできません。
(引用終わり)
(「令和2年司法試験予備試験に関するQ&A」。太字強調は筆者。)
Q49 試験時間中にハンカチ,ティッシュペーパーは使用できますか?
A ハンカチ,ティッシュペーパーを使用して差し支えありません。ただし,あらかじめ机上に置いておき,試験時間中にかばんの中から出したりしないでください。ポケットティッシュのケース(元々のビニール以外)は外してください。また,ボックスティッシュ等の大きなものは机上に置くことはできません。
(引用終わり)
普段の答練等の演習では、あまりハンカチやティッシュを使ったという経験がないかもしれません。仮に必要になったとしても、その時に出して使えばいいので、わざわざ机上に出しておいたりしないのが普通でしょう。なので、本試験でも、わざわざ机上に出しておこうとは思わないかもしれません。ただ、それだと、万が一急に必要になった場合に、困ることになります。
2.一番困るのは、急に鼻血が出たときです。極度の緊張状態になると、外傷がなくても、まれに鼻血が出ることがあるようです。予想以上の出血量になることもあり、ポタポタと流れてきてなかなか止まらないと、慌てることになります。さすがにそのような場合には、監督員に言えばハンカチやティッシュを出すことを許可してもらえそうですが、監督員を呼んでいる間に答案を血で染めることになりかねません。ハンカチやティッシュを事前に机上に置いておけば、素早く対応できます。鼻水が出たときも、同様に対応できて便利です。
3.ボールペン、万年筆等のペン先の滑りが悪くなったときや、インクが付着して滲みやすくなったときにも、役に立ちます。普段の答練等では、そんなに続けて答案を書いたりしないので、あまり気にならないのですが、本試験当日は、連続して答案を書き続けるので、ホコリ等がペン先に付着したり、インクが固まったりすることがあります。試験中にそのようなことに気が付いた場合、他のペンに取り替えるのも一案ですが、ティッシュで軽くペン先を拭くだけで、改善することもあります。厳密には、ティッシュでペン先を拭くと、ティッシュの細かい繊維片がペン先に多少付着してしまうので、布で拭く方が優るようです。とはいえ、ハンカチで拭くのは抵抗のある人が多いでしょう。個人的には、試験中はティッシュで十分ではないかな、と感じます。
4.今年に関しては、マスクを着用することに加え、換気で窓を開けることで室温が高くなることが予想されるため、例年より汗をかくことが多いかもしれません。ハンカチがあれば、試験中でも汗を拭くことができ、不快感を多少なりとも軽減できるでしょう。また、今年は暑いので試験中に飲料を飲む機会が増えそうですが、飲む際に少しこぼしてしまったりすることもあり得るでしょう。そんな時も、ハンカチやティッシュを用意しておけば、すぐに拭くことができるでしょう。
5.試験中にトイレに行く場合、ほとんどの人は手を洗うでしょう。洗った後は、手を拭く必要があります。トイレに備え付けられたエアータオルやペーパータオルが使用できればそれでよいのですが、試験会場によっては備え付けられていないことがありますし、今年に関しては、感染防止のため、エアータオルは使えないようになっている可能性が高いでしょう。通常は、ポケットにハンカチを入れておいて、ポケットからハンカチを出して拭けばいいわけですが、試験中は、トイレに行く際にも監督員がついて来るので、ポケットからハンカチを出そうとすると、一々注意されるかもしれません。ハンカチを机上に出しておいて、トイレから戻ってきた後に手を拭く方が、ストレスがないでしょう。
6.以上のように、それなりに、ハンカチ・ティッシュの出番はあるものです。実際に使う機会があるかどうかはともかく、念のため、机上に出しておくことをおすすめします。