令和４年司法試験短答式試験の結果について（１）

１．令和４年司法試験短答式試験の結果が公表されました。合格点は、９６点でした。以下は、憲民刑の３科目、１７５点満点になった平成２７年以降の短答式試験の合格点の推移です。

　平成２７年及び平成２８年は１１４点、平成２９年から令和元年までは１０８点でした。それが、一昨年に一気に１５点も下がって以降は、毎年合格点が変動しています。どうして、このような点数になっているのでしょうか。

２．現在の短答式試験の合格点は、論文の合格者数を踏まえつつ、短答・論文でバランスのよい合格率となるように決められているとみえます（「令和３年司法試験短答式試験の結果について（１）」） 。一昨年は例外的に短答・論文のバランスが悪く、何かイレギュラーな要因があったのではないか、と思われたのでした（「令和２年司法試験の結果について（１）」）。
　当サイトでは、今年の出願者数が公表された段階で、昨年と同じ短答・論文合格率だった場合と、論文で、「１４００人基準」が維持された場合のそれぞれを想定したシミュレーションを行っていました（「令和４年司法試験の出願者数について（２）」）。以下の表は、その当時の試算をまとめたものです。 

　実際には、３０８２人が受験して、合格したのは２４９４人。受験者ベースの合格率は、８０．９％でした。これは、上記の表でいえば、論文で、「１４００人基準」が維持されることを想定した場合の試算に近い数字です。
　平成２８年から昨年までの数字と比較してみましょう。

　このようにしてみても、やはり、論文で、「１４００人基準」が維持されると想定して非常にバランスがよい。今回の短答式試験の結果は、論文合格者数を昨年同様の水準にすることを見越したものだ、と考えて無理がない、ということができるでしょう。特にイレギュラーな要因が作用しない限り、論文合格者数は、昨年同様の水準になりそうです。

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