ChatGPT相手に口述試験をした

 ChatGPT(https://openai.com/)に対して、以前のTwitterアンケートの事例(「手段限定型犯罪と密接な行為」も参照)を素材に、口述試験のような感じで質問をしたやり取りを紹介します。時々おかしなことを言うものの、一応会話としては成立していますね。以下のやり取りは、修正を加えないそのままの質問と回答です。なお、転載は利用規約及びChatGPT自身が推奨する方法に準拠しています。

出所:https://openai.com/

筆者:「甲は、Vを騙して車に乗せ、付近の人気のない場所に移動した後、暴行を加えて財布を強取するつもりで、Vに「自宅へ送る」と声を掛けたところ、Vは乗車したが移動中に甲の意図に気付き、走行中の車から逃げようと飛び降りたが、頭を強打して死亡した。」という事例を考えます。この事例において、検討すべき犯罪は何だと思いますか。

ChatGPT:この事例において、検討すべき犯罪は「強盗致死罪」です。甲はVから財布を奪おうとしており、暴行を加えて財布を奪うつもりであったことから、強盗罪が成立します。また、Vが車から飛び降りたことで急激な頭部打撃を受け、死亡したため、強盗罪が致死罪に当たる強盗致死罪に該当します。

筆者:そうですね。あなたは今、「強盗罪が成立します。」と言いましたが、既遂に至っているといえますか?

ChatGPT:甲がVに対して暴行を加えて財布を奪おうとした意図を持っていたことから、未遂の強盗罪が成立する可能性があります。しかし、Vが逃げようとして車から飛び降りた後に死亡したため、甲による暴行や強奪の行為が完了したかどうかについては、検討が必要です。詳しい事情によっては、強盗殺人罪が成立する可能性もあります。

筆者:なるほど。あなたは、強盗致死罪の既遂・未遂の区別について、どのような立場を採っていますか。

ChatGPT:法的には、強盗致死罪は、刑法上の「不完全犯罪」と位置づけられています。つまり、既遂・未遂に関わらず犯罪行為自体は成立しており、被害者が死亡した場合には、強盗致死罪が成立するとされています。ただし、既遂か未遂かによって刑罰の量刑に差が出るため、司法判断においてはその点が考慮されます。

筆者:なるほど、死亡結果で判断するということですね。では、あなたがこの事例で実行の着手が認められると考えた理由を教えてもらえますか。

ChatGPT:この事例において、甲が車に乗せて移動するという行為は、強盗罪の実行行為に該当します。また、付近の人気のない場所に移動したことから、強盗罪の遂行意思があったことが推定されます。さらに、甲が暴行を加え、財布を強取するつもりであったことも明らかになっています。その後、被害者が逃げようとした結果、死亡に至ったことから、強盗致死罪が成立する可能性があります。以上のことから、実行の着手が認められると考えられます。

筆者:「甲が車に乗せて移動するという行為は、強盗罪の実行行為に該当します。」とお答えになりました。強盗罪の実行行為は暴行・脅迫ですが、甲が車に乗せて移動するという行為が暴行・脅迫に当たるという理由は何ですか。

ChatGPT:甲が車に乗せて移動する行為自体は、暴行や脅迫には該当しません。しかし、この行為が財物を強制的に奪うための手段として行われた場合、強盗罪の実行行為として成立するとされています。具体的には、「自宅に送る」という言葉でVを車に乗せ、意図的に移動した場所が付近の人気のない場所であったこと、また、暴行を加えて財布を奪おうとしていたことが示唆されているため、実行行為に当たると考えられます。

筆者:なるほど。しかし、それは暴行・脅迫そのものの開始ではありませんね。判例は、そのような場合、どのような概念を用いていましたか。

ChatGPT:確かに、車に乗せる行為自体は暴行・脅迫とはみなされません。強盗罪においては、暴行・脅迫行為と被害者から財物を奪う行為が密接に結びついている必要があります。このような場合、一般的には「危険行為」という概念が用いられます。つまり、被害者を危険な状況に置くことで、その恐怖心や不安感から財物を奪うことを狙う行為が強盗罪の実行行為に該当すると判断されることがあります。判例においても、被害者を車に乗せて移動することが強盗罪の実行行為に該当するかどうかを検討する際に、「危険行為」という概念が用いられることがあります。

筆者:うーん。判例は「危険行為」ではなくて、「密接な行為」という概念を用いるのですけどね。「密接に結びついている」と言っていましたのでそれで合っていますね。

ChatGPT:申し訳ありません、誤った回答をしてしまいました。ご指摘ありがとうございます。判例においては、「密接に結びついた行為」という概念が用いられています。すなわち、強盗罪の実行行為が暴行・脅迫などの暴力行為ではなく、それに先立つ行為であっても、その行為が強盗罪の目的を達成するための不可欠な段階であり、密接に結びついている場合には、実行の着手が認められるとされています。

筆者:そうですね。それを判示した判例の事件名はご存知ですか?

ChatGPT:はい、「刃物男事件」と呼ばれる事件が、密接な行為の概念を示した判例として有名です。この事件では、被告人がナイフを持ち出して被害者を脅し、車に乗せて金品を要求したところ、被害者が車から逃げ出した際に刃物で襲撃し、殺害するという事件が起きました。この事件において、最高裁は密接な行為の概念を用いて、強盗致死罪の実行行為を認定しました。

筆者:・・・クロロホルム事件ですよね。まあ、それは勉強しておいてください。ところで、先の事例で、あなたは強盗致死罪を認めたのだけど、致死の結果は暴行・脅迫以外の行為から生じていますが、その場合でも強盗致死罪が成立する理由を教えてもらえますか?

ChatGPT:はい、強盗罪は、被害者の同意を得ずに財物を奪うことであり、その際に危険行為があった場合、その危険行為が原因で被害者が死亡した場合には、強盗致死罪が成立するとされています。つまり、被害者が同意していたとしても、危険行為があった場合には、強盗致死罪が成立する可能性があるということです。先の事例でも、危険行為である移動中の車からの飛び降りが死亡の原因となっているため、強盗致死罪が成立する可能性があると考えられます。

筆者:「その際に」と言いましたね。より厳密に言えば、どのような意味になりますか。

ChatGPT:「その際に」という表現は、特定の状況やタイミングを指しています。つまり、強盗罪の実行行為と被害者の死亡との間に因果関係があることが必要です。具体的には、強盗罪を実行することによって、被害者の死亡が直接的に生じたと認められることが必要です。ただし、この因果関係は必ずしも直接的である必要はなく、時には間接的な因果関係も認められることがあります。

筆者:うーん。正確には「強盗の機会に」ということですよね。今、因果関係という言葉がでましたね。被害者の死亡結果は、被害者自身が車から飛び降りたということによるわけですけど、それでも因果関係があるという理由を教えてください。

ChatGPT:被害者が車から飛び降りたことによって死亡した場合でも、それは甲による強盗行為が原因であると考えられます。強盗の犯行がなければ、被害者は車に乗せられることもなく、車から飛び降りることもなかったと考えられるからです。つまり、強盗行為がなければ被害者は死亡しなかった可能性が高く、強盗行為が原因であると言えるのです。このように、強盗行為と被害者の死亡結果には因果関係があると言えます。

筆者:なるほど。しかし、車から飛び降りるという被害者の行為は極めて危険であって、異常な行為ですから、それを強盗行為に起因するということはできないのではないですか?

ChatGPT:確かに、車から飛び降りるという被害者の行為は危険であると言えますが、それが強盗行為に起因するということはできます。強盗犯が被害者を乗せた車の中で暴行や脅迫を加えていたために、被害者が逃げようとして車から飛び降りたということが原因であると解釈される場合もあります。つまり、被害者が車から飛び降りた行為は、強盗行為があったからこそ起こった行為であると捉えることができます。

筆者:今、「強盗犯が被害者を乗せた車の中で暴行や脅迫を加えていたために」と言いましたが、車の中で暴行・脅迫を加えていない場合はどうですか?

ChatGPT:強盗犯が被害者を車に乗せた段階で、強盗罪の実行行為に該当すると判断される場合があります。例えば、強盗犯が被害者に向けて暴行や脅迫を行うことを示唆する言動をしたり、車の中で被害者に対して不当な制限を加えた場合には、既に強盗罪の実行行為に当たると判断されることがあります。ただし、具体的には事件の事情や証拠の状況などによって異なるため、一概に言及することはできません。

筆者:なるほど、車に乗せた段階に着手があって、それが原因で被害者が飛び降りたのだから、甲の行為との因果関係を認めるということですね。

ChatGPT:はい、その通りです。被害者を車に乗せた段階で強盗罪の着手があったと認められれば、その行為と被害者が車から飛び降りた結果との因果関係が認められ、強盗致死罪が成立する可能性があります。

筆者:よくわかりました。ところで、強盗罪は手段限定型の犯罪であることから、暴行・脅迫より前の時点で実行の着手を認めることはできないとする見解があることはご存知ですか?

ChatGPT:はい、確かにそのような見解があります。手段限定型犯罪とは、犯罪の成立に必要な手段が法律によって限定されている犯罪のことであり、強盗罪もその一つです。手段限定型犯罪においては、犯罪の成立に必要な手段が明確でなければ犯罪は成立しないため、手段限定説が唱えられることがあります。この説に基づくと、強盗罪においても、暴行・脅迫より前の時点で実行の着手が認められることはできないとされます。ただし、この説に対しては批判的な見解もあります。

筆者:批判的な見解があると言いましたね。具体的に説明してください。

ChatGPT:はい、手段限定型の犯罪においては、法的に違法とされる行為(手段)を実行した時点で犯罪が成立するとされています。つまり、強盗罪においては、暴行や脅迫といった手段を行使した時点で強盗罪が成立するとされます。

 一方で、先にも述べたように、強盗犯が被害者を乗せた車の中で暴行や脅迫を加える前に、被害者を車に乗せたこと自体が強盗罪に該当するかどうかについては議論があるとされています。このような場合、手段限定型の犯罪という性格上、暴行や脅迫といった手段が実行されなければ強盗罪が成立しないとする見解があるためです。

 この見解に対し、強盗犯が被害者を車に乗せるという行為が、暴行や脅迫と密接に関係しているため、その段階から実行の着手が認められるべきだとする批判的な意見があります。具体的には、被害者に対して暴行や脅迫を行使する意思を持ち、それを実行するための手段として車に乗せた場合には、実行の着手が認められるべきだという考え方があります。

 このように、手段限定型の犯罪においても、その犯罪の性格や具体的な状況によって、実行の着手がどの時点から認められるかについては、議論があることがあります。

筆者:なるほど、では、手段限定説の立場から、先の事例の結論はどうなりますか。

ChatGPT:手段限定説の立場からは、強盗罪の実行行為としては、暴行・脅迫より前の段階である車に乗せるという行為があると考えられます。しかし、被害者が飛び降りた時点で強盗罪が完成しているかどうかについては、手段限定説に従う限り、被害者が車から飛び降りた時点で強盗罪が完成しているとは言えない可能性があります。

筆者:仮に、被害者が車から飛び降りた時点で強盗罪が完成していないとすると、結論はどうなりますか。

ChatGPT:被害者が車から飛び降りた時点で強盗罪が完成していないとすると、甲は強盗罪については処罰されないことになります。ただし、強制性交致死罪については、甲が被害者に対して暴行を加え、その結果被害者が死亡したことが明らかである場合には、甲は強制性交致死罪に問われることになります。

筆者:えっ。その理由を教えてください。

ChatGPT:強盗罪は、被害者に対して暴行・脅迫を加えて、物を奪うという手段が必要です。つまり、強盗罪においては、暴行・脅迫を加えることが犯罪の手段となります。強盗罪は手段限定型の犯罪であり、犯罪の手段が成立しなければ、犯罪は成立しないとされています。

 このため、被害者が車から飛び降りた時点で、犯罪の手段である暴行・脅迫が成立していない場合、強盗罪は成立しません。つまり、強盗罪に必要な要件である「物を奪うこと」と「暴行・脅迫を加えること」という両方が成立していなければ、強盗罪は成立しないということになります。

筆者:いえ、あなたは強制性交致死罪が成立すると言いましたよね?先の事例で強制性交致死罪が成立する理由を教えてください。

ChatGPT:はい、先の事例で強制性交致死罪が成立する理由は、以下のように考えられます。

 まず、強制性交罪の成立要件としては、被害者の意思に反して強制的に性交をしたことが必要です。また、被害者がその行為によって死亡した場合には、強制性交致死罪が成立します。

 この場合、加害者が被害者に対して強制的に性交をし、その行為によって被害者が死亡したという事実が認められています。したがって、強制性交致死罪が成立すると考えられます。

筆者:もう一度事例を言います。「甲は、Vを騙して車に乗せ、付近の人気のない場所に移動した後、暴行を加えて財布を強取するつもりで、Vに「自宅へ送る」と声を掛けたところ、Vは乗車したが移動中に甲の意図に気付き、走行中の車から逃げようと飛び降りたが、頭を強打して死亡した。」という事例ですよ。これでどうして強制性交致死罪が成立するのですか。

ChatGPT:甲は、Vを騙して車に乗せ、付近の人気のない場所に移動した後、暴行を加えて財布を強取るつもりで、Vに「自宅へ送る」と声を掛けたところ、Vは乗車したが移動中に甲の意図に気付き、走行中の車から逃げようと飛び降りたが、頭を強打して死亡したという事例ですね。

 この場合、甲は暴行を加えるつもりでVを車に乗せ、その後、Vが逃げ出したことを止めようと、Vに対して暴行を加えたことが原因で、Vが死亡したと考えられます。つまり、甲はVに対して強制的な性交を行わなかったとしても、暴行によってVが死亡したことにより、強制性交致死罪が成立する可能性があります。

 ただし、このような事例においても、甲がVに対して強制的な性交を試みたことが証明された場合には、強制性交致死罪の成立はさらに容易になるでしょう。

筆者:なるほど、「暴行」に性的暴行の意味を読み取ったのですね。そのような意味はなく、単純な有形力の行使として考えた場合にも、同じ結論になりますか。

ChatGPT:はい、性的暴行の意味ではなく、暴行としての有形力行使であった場合でも、強制性交致死罪が成立する可能性があります。ただし、その場合は、被害者の意識があったかどうか、暴行が直接的に死因となったかどうかなど、具体的な事情によって詳細が異なる場合があります。

筆者:ちょっと待ってください。甲の犯行計画には性交の意図はないという前提で考えてください。それでも同じ結論になりますか?

ChatGPT:甲が犯行計画に性交の意図がなかった場合でも、暴行行為そのものが被害者に対する性的意図を含むものであれば、強制性交致死罪が成立する可能性があります。ただし、暴行行為が単に財物を奪うための手段であり、性的意図を含んでいない場合は、強制性交致死罪が成立しない可能性があります。判断は具体的な事案の事実や証拠によって異なります。

筆者:そうですね。終わります。

ChatGPT:了解しました。何か他にお力になれることがありましたら、いつでも聞かせてください。

 上記のような回答を実際にしたとしたら、どのように評価されるか。
 まず、全体的な評価としては、発展・応用部分である手段限定型犯罪の辺りでは妙にイキイキしている反面、普通の論文合格者なら誰でも答えられそうな「密接な行為」、「強盗の機会」といったテクニカルタームが出てこないことや、その内容説明の正確さにも難があるので、基準点である60点(「令和4年予備試験口述試験対策について(上)」)を与えることは難しい。これだけなら、59点相当といったところでしょう。その上で、個別の応答中に特段に問題となるものがないかをみると、「刃物男事件」のくだりがヤバい。平然とウソを付くというのは、口述では禁忌事項の1つです(「令和4年予備試験口述試験対策について(下)」)。それから、最後の強制性交致死もいただけません。これらの応答を踏まえると、さらに1ランク下の58点が相当と判断されるでしょう。「刃物男事件」はちょっとした勘違いでは済まされないパワフルな内容で、「こんなことを平然と言うような人を法曹にしてはいけない。」と感じさせるので、通常はなかなか付かないとされる58点とされてもやむを得ないかな、という感じですね。とはいえ、単純に収集した情報を組み合わせたというレベルは優に超えています。因果関係のところが特にそうですが、あたかも自分の頭で考えているとみえる回答を返してくるので、面白い反面で怖い感じもするところです。

 他にも、過去のTwitterアンケートの素材について質問した例を紹介します。現時点では、精度にかなりのブレがあることがわかります。

出所:https://openai.com/

筆者:買主の受領遅滞後に当事者双方無責の事由により目的物(特定物)が損傷し、軽微でないが修補可能である場合において、買主の催告解除を否定する根拠条文を教えてください

ChatGPT:日本の民法において、買主の催告解除を否定する根拠条文は、以下のようになります。

 民法第572条第1項:「買主は、受領の遅滞により、目的物(特定物)が損傷したときは、その損害について売主に対し催告し、その後一定期間内に買主がその損害を負担すべき金額を売主に支払い、受領遅滞により生じた損害を求めることができる。ただし、次の各号に該当する場合には、買主はその催告をすることができない。」

 つまり、受領遅滞によって目的物が損傷し、かつその損傷が軽微で修補可能である場合でも、買主は催告解除することができないということになります。ただし、損傷が軽微であっても売主が債務不履行をした場合には、買主は催告解除することができます。

筆者:裁判による共有物分割。AB(持分各2分の1)が共有する土地を甲土地(価格600万円)と乙土地(価格400万円)に分筆してAが甲土地を、Bが乙土地を取得し、AがBに対して100万円の金銭債務を負担するという分割方法は、令和3年法律第24号による改正後の民法の何条で認められるのでしょうか?

ChatGPT:改正後の民法において、共有物分割に関する規定は民法1004条から1014条にまとめられています。この中で、土地の分割方法に関しては民法1010条で規定されており、買い取り方式やオークション方式などの方法が認められていますが、具体的な方法については明文化されていません。

 したがって、ご質問のような「甲土地と乙土地に分割して、Aが甲土地を、Bが乙土地を取得し、AがBに対して100万円の金銭債務を負担する」という分割方法が法律上認められているかどうかについては、民法の規定からは明確な回答が得られません。

 ただし、一般的には、分割方法について当事者間で合意が成立すれば、その方法で分割することが可能であるとされています。また、裁判所が仲裁や判断を行う場合においても、当事者の合意に基づいた方法で分割を行うことが原則とされています。

筆者:一部価格賠償は民法258条2項1号で認められると思うのですが、違いますか?

ChatGPT:申し訳ありません。先に回答した内容に誤りがありました。一部価格賠償に関しては、民法258条2項1号が適用されます。

 つまり、本件のように共有物分割によって甲土地と乙土地に分割し、各々が取得する際に金銭債務を負担する場合において、土地の分割後に発生した損害については、一部価格賠償が認められる可能性があります。ただし、この場合にも、損害の原因や程度に応じて、責任の割合や金額などが異なってくるため、具体的には個別の事情によって判断が異なることがあります。

筆者:では、全面的価格賠償については、根拠条文はどのようになりますか?

ChatGPT:全面的価格賠償に関しては、民法258条2項2号が適用されます。これは、「売買契約が解除されたときは、双方が受けたべき利益及び支払ったべき費用について相殺することを要しない」という規定です。

 つまり、土地の分割後に発生した損害が修復不能であり、売買契約が解除された場合には、双方が受けたべき利益及び支払ったべき費用について相殺することを要しないため、全面的な価格賠償が認められる場合があります。ただし、全面的価格賠償が認められるかどうかについては、具体的な事情に応じて判断が異なることがあります。
 

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